木造住宅が斜めに崩れる理由

その後、東京に戻ってから、建築仲間や、被災地ボランティアに関わった方々に、東北内陸部での被災状況について話を聞く機会がありました。写真を見ると、 1階がゆがんで崩れている住宅、斜めに傾いている住宅などがありました。これらはほとんどが、1981年の建築基準法改正前、「旧耐震基準」の住宅であった思われます。

建築基準法は2000年にも改正され、住宅の耐力壁の配置バランスなども重視されるようになりました。それまでは、耐力壁の壁量があればよしとされていたのですが、南面に大きな開口部をもちそこに耐力壁が配置されていないと建物が均等に揺れの力を受けたり逃すことができず、一方に負荷がかかり、壁が弱い部分が崩れてしまうのです。

崩れている家で外観が比較的新しいと思われるものは、「新耐震基準」で壁量が足りていても、壁の配置バランスが悪い、いわゆる「グレーゾーン住宅」だと考えられます。耐震基準で1981年から2000年までに建てられた住宅は、グレーゾーンのものが多いので、「新耐震だから安心」とは思わず、不安になられたら耐震診断を受けられることをお勧めします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です