酷暑の現場_3  スケジューリングも重要

夏の建築現場では、暑さだけでなく、突然の豪雨にも悩まされます。
テントやシートで養生しながら作業することもありますが、工程や敷地条件によっては難しい場合もあります。まずは建て方が終わり、屋根が架かれば日差しを遮り、豪雨から身を守ることができるので、現場が真夏に差し掛かる際には、スケジュールを工夫して、職人さんの作業環境の影響を最小限にする工夫をしています。
以前も大型の台風で現場が影響を受けることがありました。天気予報を見ながら、職人さんの安全を確保し、またお客さまの住まいが豪雨に影響を受けないよう、しっかり養生して、素材等が飛ばされないよう、屋内に退避するようにしています。

とにかく、猛暑、酷暑に豪雨と、気候変動の影響は、建築現場にも大きな変化をもたらしています。そこでの対策が、ひいてはお客さまの住まいの快適性と安全性につながっていくので、私たちは現場をしっかり見て、この先の対策に進めていきたいと思います。

酷暑の現場_2  自然素材の柔軟性

猛暑が続くと、建材への影響が心配になりますが、大丸建設では幸い、扱う建材は自然素材ばかりなので、熱による変形や融解といった、深刻な被害はありません。
屋根塗装では遮熱塗料を使うことがありますが、木材や漆喰は極端な温度変化にも強く、熱による割れや変形は少ないのです。木は熱をやわらかく受け止める性質があり、夏の厳しさにも安定して耐えることができます。無垢材は多孔質で表面積が大きいので、表面温度が高くなりにくいのです。

自然素材が持つ調湿性と断熱性によって、建築現場はいくぶんか楽になっていると考えられます。強い日差しを受けても、木は内部に熱をため込みすぎず、ゆるやかに室内へ伝えるため、急激な温度変化を防ぎます。自然素材がデフォルトであることは、こうした予期せぬメリットがあると実感しています。
酷暑でも安定する家は、暮らし手の体への負担を減らします。大丸建設では、現場での暑さ対策と同じように、素材選びでも「長く快適に暮らせる工夫」を積み重ねています。

酷暑の現場_1  今年の暑さと職人さんの工夫

今年の夏は、連日40度を超える日もあり、現場で働く職人さんたちにとって過酷な季節でした。8月1週目は関東地方で軒並み40度を超える酷暑となり、私たちも建設現場の安全確保に頭を悩ませています。
大丸建設の現場では、1時間ごとに休憩をとり、小まめな水分補給を欠かさないように呼びかけています。空調服は今や現場での標準装備。直射日光を避けるため長袖を着用し、首元には冷却リング、人によっては小型冷蔵庫を持ち込んで、冷たい飲み物を常備しています。

こうした工夫は、熱中症のリスクを減らす命綱と言えます。炎天下での作業は体力を奪いますが、一つひとつの対策が現場の安全を守っています。

そして、完成した自然素材の家は、この「暑さ対策」を日常の暮らしでも支えます。無垢の木や漆喰は断熱・調湿に優れ、室内の温度変化をやわらげます。エアコン効率も高まり、外気が厳しい夏でも心地よい空間を保てます。現場で守った安全と、素材がもたらす快適さ──その両方が、長く安心できる住まいをつくります。

ヒートショック最前線_10 浴室リフォームも念頭に

新築住宅の場合は、国の基準も変わっているため、設計時から高断熱にすることができますが、既存住宅の場合はリフォームで対応するしかありません。窓断熱に加えて、高齢者がいる家庭では特に浴室リフォームが重要です。

脱衣所に暖房を設置するのが最も安価で有効な対策方法です。小型の壁掛けヒーターを取り付ければ、スペースを取らずに脱衣所を温めることができます。「お風呂に入る前に暖房のスイッチをオンにする」生活習慣が必要になりますので、意識的にヒートショック予防をしていくことが大切ですね。

浴室自体をリフォームする際には、お風呂を沸かす際に暖房もできるよう、オートメーション化した機能を搭載するとよいでしょう。

本質的には、浴室や脱衣所の床や壁の内側に断熱材を入れることが大切なのですが、そもそも脱衣所は設計上日当たりがいい場所には配置されないことが多いので、補助暖房と組み合わせることが大切です。床下の断熱をする際には、床暖房を導入するのが効果的です。足元からじんわり暖めることで、脱衣所全体が快適になり、ヒートショックを防ぐことができるようになるでしょう。

 

ヒートショック最前線_8 高断熱の家は健康面でのメリットも

高気密・高断熱の家は、ヒートショックを防ぐだけでなく、冷えや結露による健康被害も防げるのが大きなメリットです。

結露が起こる原因は、室内の暖かい空気と外の冷えた空気の気温差によって飽和水蒸気量を超え、余分な水蒸気が水に変わります。これが窓や壁を濡らすことで、室内にカビやダニなどのアレルギーを引き起こす原因を発生させます。高断熱の家では結露が少ないため、アレルギーや喘息のリスクを減らすことができます。小さなお子さんがいる家庭や、アレルゲンをお持ちの方は、特に注意したいポイントです。

また、冷えは万病の元と言います。寒さによる血圧の急上昇は、ヒートショック以外にも、高血圧や脳卒中のリスクを高めます。高断熱の家なら、血圧の変動を少なくし、家族、特に高齢者の健康を守ることができます。

断熱性の高い家は、ヒートショックを防ぐだけでなく、光熱費の削減や家族の健康維持にもつながります。特に戸建て住宅の場合は、マンションに比べると寒さへの対応は十分にしておくべきで、しっかりとした断熱対策をすることで、健康的に快適な暮らしが実現できます。

2025年の抱負_2 大災害に備える

1年前の元日の午後、能登半島を襲った大震災は、お正月気分の私たちに大きな衝撃を与えました。崩れる家、隆起した道路や、土砂崩れした海岸線に、火事で焼けた輪島の朝市……。道路が寸断され、救助の手が届かない人々が多く出ました。高齢化した地域では、孤立した住宅もあり、今なお復興は進んでいない状況です。それに加えて昨年夏の大水害で、二度の大きなダメージを受けた能登地方。現地に生きる方々に心からお見舞い申し上げるととおに、我々のできることは何かを真剣に考えなければなりません。

私は一級建築士として、これまで東日本大震災や台風被害の現場などに出向き、ボランティアとして応急危険度判定などを手掛けてきました。数々の倒壊した建物を見てきて、まずは命を守ることの大切さを痛切に感じ、そのためには耐震診断により耐震性に不安がある建物は耐震補強をしていくべきだと考えています。

大丸建設は東京都建築士事務所協会に所属し、自治体の耐震診断を請け負うことのできる工務店です。これまでも数多くの耐震診断の実績があります。備えあれば憂いなし、近い将来発生すると予測されている首都直下自身に備えて、ご自宅の耐震にご不安のある方は、遠慮なくご相談ください。

2025年の抱負_1 予測のつかない時代を生き延びるために

新年明けましておめでとうございます。本年も大丸建設をご愛顧の程、どうぞよろしくお願い申し上げます。

2025年がスタートしました。昨年は、能登半島の大震災と豪雨被害、また日本各地で線状降水帯による水害が起こり、一方夏場の暑さは毎年最高記録を更新するなど、気候危機と大災害に翻弄された1年でした。

世界を見渡せば戦争は終わらず、エネルギー価格やガソリン価格の高騰や、円安も深刻で、経済には大きな影響が及んでいます。家計を見れば相次ぐ物価高で生活コストが上がり、一方で最低賃金は上昇して労働環境は改善しつつあるようですが、我々のような中小企業にはコスト高で打撃を受けています。

スポーツではパリオリンピックでの日本勢の躍進とともに、メジャーリーガーの大谷翔平選手の活躍は日本に明るい話題を提供してくれました。

私たちの暮らしは、経済や社会、世界の情勢に大きく影響を受けます。大丸建設も社会の一員として、よい地域や未来をつくるために、微力ながら貢献していきたいと思います。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

株式会社大丸建設 代表取締役社長 安田佳正

空き家を考える_10 地域コミュニティが空き家に対してできること

空き家問題は全国的な課題で、今後ますます深刻化していくことが考えられます。自分の家の隣に放置空き家があって、衛生面や防犯上のリスクが高まれば、安心して生活できる居住環境が保たれなくなります。住宅の所有者や相続人の問題なので、地域住民が介入できることではないですが、こうした問題を未然に防ぐためにも、地域コミュニティの中で声をかけ合う、挨拶をし合う、高齢者世帯や独居の方に日頃から目を配るといった日常的な関係性がとても大切になります。

 

工務店としては、基本的に世帯単位のお客様への情報提供や、相続によって引き継いだ土地や家屋を適切に管理していく方法をお伝えすることくらいしかできませんが、大切な家族の思い出や、ご先祖様から受け継いだ歴史などもあるので、ご家族の思いに寄り添い、予算的にも労力的にも現実的な解決策を提供していくことでお役に立ちたいと考えています。

例えば、現代はITが発達していますので、センサーなどを設置することで近隣への悪影響を及ぼす環境を未然に防ぐ手立てを構築することや、不法侵入を監視して抑止力につなげることもできるはずです。

また、倒壊や害虫・害獣のリスクを防ぐために最低限行うべきメンテナンスも、引き継いだ住宅の状態を見れば判断できます。台風や地震等で屋根が飛ばない、倒壊しないようにするため、耐震診断等の補助制度を使うこともできますので、ご相談ください。

 

思い入れのある土地や家屋であっても、人が住まない建物は劣化し、傷みます。それがご自身にとって負の資産になると、楽しい思い出も辛いものになってしまう可能性があります。資産価値があるうちに早めに売却するのも一つの手です。リノベーションなどで新たな居住者を得て新しい思い出が生まれる家として価値が受け継がれていくこともあります。

 

大丸建設では相続で受け継いだ建物の維持管理のご相談も承ります。お客さま本意で現実的な解決策をご提案していきますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

 

空き家を考える_9 普及啓発も重要

地方自治体では、空き家特措法による「特定空家等」の選定による指導・勧告や代執行ができるようになっただけでなく、普及啓発も重要視しています。

 

所有者への啓発活動としては、空き家の適切な管理や活用の重要性を所有者に知らせるため、セミナーやパンフレット配布を行ったり、空き家の改修やリノベーションに対し、補助金や低金利融資を提供することで、空き家の利活用を促すことも始まっています。

さらに、空き家を売却、貸出、もしくは活用した場合に、譲渡所得税や住民税を減免する仕組みを導入した自治体もあります。相続人が放棄した空き家の管理を、行政や専門機関が引き継ぐ仕組みを構築することの検討も始まっています。

 

さらに、地域内の空き家の状況をデジタル化し、所有者、状態、立地などの情報を一元管理して空き家データベースの構築に取り組んだり、空き家を活用したい人と提供したい所有者をマッチングする「空き家バンク」を設置・運営が進んでいます。

例えば、空き家を活用してコミュニティスペースやシェアハウス、観光施設などに再利用するプロジェクトを支援することで、移住希望者や起業家が新築で住戸やオフィスを取得するよりも安価で入居できるようになるなどして、移住・定住促進につなげることができます。

空き家問題は大きな課題ではありますが、逆に空き家を地域の資源ととらえ、新たな仕組みを構築することで、地域の活性化につなげることもできます。行政と民間企業による空き家管理のサービスやリノベーション活用事例も増えてきていますので、空き家に困っている方は調べてみてはいかがでしょうか。

 

空き家を考える_8 空き家に対して自治体ができること

国の法律を実際に執行して運用するのは、地方自治体となります。自治体独自でも空き家対策計画を策定することが求められます。例えば、空き家の調査、管理、活用、所有者への啓発活動などです。

 

自治体では空き家の調査・実態把握を行います。現地調査の実施し、空き家の状態や所有者を特定します。この情報をもとに、「特定空家等」に該当する物件を選定します。「特定空家等」に該当する場合、まず所有者に対し改善の指導や勧告を行います。改善がなされない場合、命令を出すことで法的な強制力を持たせます。

周辺住民に悪影響を及ぼす可能性のある危険な空き家に対しては、所有者が指導や勧告に従わない場合、自治体が建物を代わりに解体・撤去することができます。その費用は後日、所有者に請求されます。解体費用が回収できない場合、滞納処分として財産の差し押さえなどを行うこともあります。

このように、空き家特措法によって、空き家問題に対処するために行政が積極的に介入できるようになりました。一方で、所有者不明の空き家や、所有者が対応に消極的なケースでは、実効性に限界があるとの指摘もあります。今後は、所有者不明土地問題への対応や、空き家活用のさらなる促進が課題となっています。