家でいちばん結露しやすい場所は、窓ガラスです。ガラスやアルミなどの金属は熱を伝えやすいため、室内外の空気の温度差に敏感に反応します。寝室などで、冬の朝、窓がビッショリ濡れている……という経験は誰もがお持ちではないでしょうか。
昔の住まいは隙間風などが入るほど気密性が低く、室内外の温度差はそれほどない「寒い」住まいでした。今は高気密高断熱が流行しており、窓の隙間もほとんどないため、結露しにくくなっています。しかし、外気と室内空間の温度差は必ず発生しています。発生した結露はどこに行くのか……実はいちばんこわいのが、目に見えない部分で結露が発生すること。壁の中の結露を「壁体内結露」と言いますが、木造住宅で壁体内結露が発生すると、断熱材や木構造がカビたり、木材腐朽菌が発生して、家を支える骨組みが弱ってしまうことがあります。
大丸建設の家は、気密工法ではなく、木材や土壁などの自然の吸放湿性を生かす造りです。とはいえ断熱材はしっかり入れて、ペアガラスを用いているので、ある程度の気密性と断熱性は確保できています。
カテゴリー: 未分類
結露には「冬型」と「夏型」がある
5月のさわやかな季節は、私も大好きです。しかしあと少しで梅雨入り。じめじめしてカビの発生しやすい季節で、住まいのメンテナンスが大切になってきます。
カビの原因の一つに結露があります。梅雨時や夏が特にカビに対して敏感になりがちですが、実は夏よりも冬の結露の方が住まいのカビの発生源になりやすいのです。
結語は外の気温と室内の気温の差が大きいと発生します。「夏型」の結露は、室内はエアコンで冷房し室内の空気の方が外気よりも冷たい時にその温度差で発生します。「冬型」の結露はその逆で、室内の暖房の熱と外気の冷たい空気の差により窓がビッショリ濡れる状態を指します。
つくり手も楽しめる、無垢材の家づくり
木の家のおもしろさ。すでに住まわれているお客様は、香りのよさや、空気のやわらかさ、床の温もりなど、快適さを味わっておられると思います。特に杉はやわらかいので、傷つきやすかったり、外回りに使うと黒ずむことがありますが、適切にメンテナンスをすることで長持ちします。手をかけるほどに応えてくれて、長寿命なのが、木の家のよさです。
そして、私たちつくり手も、木の家は大好きです。杉の木1つをとっても、1本1本違うので、かんながけ、刻み、そして木を張り合わせる際も、そのたびに発見があり、工夫しがいがあります。
たとえば木目がきれいな板は、玄関周りに張ろう。木目の方向をこういう風に合わせるときれいだろうか……大工さんが現場で1枚1枚、1本1本の木と向き合いながら、美しく表現していきます。手間ひまと愛情こめられてつくられた木の家は、とても美しいです。
私たち大丸建設は、これからも国産材を使い続けます。つくり手の技術の継承と、日本の森、環境を守るために……。
カラマツ、サワラ、青森ヒバ……それぞれの特徴
杉と檜以外で大丸建設が使っている木材をご紹介します。
カラマツは信州が一大産地です。カラマツは材の性質上、ねじてれいて、扱いにくいのが難点ですが、それが独特の表情を生み出します。ヤニが多いので、それも扱いにくさの原因の一つでもありますが、言い直すと脂分を豊富に含むので水に強いということでもあります。大丸では、水回りに使うことがあります。
サワラは、檜の兄弟分的な針葉樹で、とても香りがよく、うすくピンクがかった木目がとても美しい木材です。水にも強いのが特徴で、腰壁などに用いることがあります。玄関周りのように家の顔となる場所や、水回りなどで使うことがあります。
青森ヒバは、国産材の中でも最も水に強い木材と言えるでしょう。とても香りが強く、お風呂の天井や壁などに用います。長年使っていても香りが抜けず、いつまでも「ヒバ風呂」のよさを味わえます。普通ではなかなか手に入りにくい青森ヒバですが、私たちは長年のおつきあいで入手できています。やはり厳しい環境で育った木は強いんだなあ、と思います。
杉はとても機能的な材木
杉の特徴であるやわらかさとやさしさを、少し科学的に説明します。
杉がなぜやわらかいのか? それは、多孔質だからです。たくさんの孔があることで、空気や水をたくさん含むことができます(容量が大きい、ということができます)。室内の湿度が高い時は湿気を吸着して調湿し、逆に室内が乾燥している時は吸った湿気を吐き出します。木の性質を生かす乾燥法なので、家になった後も木は呼吸するのです。
もう一つ、杉には消臭効果もあります。これは、やはり多孔質であるという性質を生かした消臭性能と、杉自体が持つ芳香成分がいつまでも消えないことです。竣工後10年以上経った家でも、玄関を開けると杉のよい香りが漂っていて、驚くことがあります。どのお客様のお宅でもそうです。いわゆる生活臭がせず、木の家の香りがします。
杉の傷も長い年月を経て美しく変化する。
日本国内で入手しやすく、比較的安価で、扱いやすい杉。いまの木造住宅は杉でつくられることが増えていますが、杉には弱点もあります。
杉のメリットでもあるやわらかさ、やさしさは、傷つきやすいというデメリットもあります。大丸建設の本社の床に杉の無垢材を張っていますが、オフィス用の机やキャビネットを転がすと、床に傷がついてきます。でも、そのような傷も、長年手入れをしていくと味になり、かえって美しくなります。自然素材のよさは「経年美化」することです。
構造材としての杉は、乾燥方法で違ってきますが、山長商店では強度を生かす乾燥方法を採用しているのと、構造材としての強さ(ヤング係数といいます)をきちんと数値で表し、しっかりとした強度が確保できているので、安心して使えます。中温で木に負荷をかけない乾燥方法で、大工さんも木を鉋で削っていると、そのたびに杉独特のとてもよい香りがしてくると言っています。
木の特性、メリットとデメリットをよく知り、適材適所で材木を使っていきます。
温もりにあふれ、やさしい手ざわりの杉。
私が会社に入って間もないころ、いまから10年前くらいは、木造建築は檜で建てるもの、というお客様が多かったです。国産材使用を呼びかける『チルチンびと』のような雑誌の影響や、環境配慮型住宅の普及などの追い風が吹き、最近では「国産の杉で家を建てる」のがごく当たり前になってきました。杉が一般の方々に認められるようになったと感じています。
杉のよさは、なんといっても、その温もりです。とてもあたたかく、やわらかくて、杉の床にすわっていると、とても落ち着きます。保温性が高いので、冬でも陽射しのあるところでは、まるで床暖房のように温かいのです。夏場はうまく陽射しを遮ると、ほどよくさらっとしていて快適です。
木肌を見ていると、「杉って、やさしいなあ」と思います。檜を見ると「きれいだなあ」と思うのですが、杉のやさしさは格別です。
檜の木には圧倒的な美しさがある
昔の人は、「家は檜で、無節の木がよい」と言っていたそうです。いまでは檜は高級材で、ましては無節のものにはとても高い値段がつきます。それでも大丸建設では、お客様のご要望に応じて、床材や柱に檜を使うことがあります。
大丸では、檜材は、家の土台に使います。檜は水に強くくさりにくいので、いちばん湿気がたまりやすい床下で、しかも家を支える主要構造材である土台に檜を用いています。檜は強度も高く、ねばり強く、変化しにくいという特徴があります。
檜は確かに、木肌がとても美しく、ほんのりピンクがかった色合いも素晴らしく、ヒノキチオールという独特の芳香成分で癒されます。私も「よいものはよい」と思いますし、檜はとても美しく、大好きな木の一つです。
メインで使う杉は、紀州・山長商店と、くりこまから。
大丸建設の主要材として使う杉は、紀州・山長商店の50年生以上のものを。山長の杉は長年よく手入れされた森で育ちます。育ちがよく目が詰んでいて、真っ直ぐで素直です。そのため、柱や梁などの構造材として用いることが多く、また、壁や床などの内装材にも利用しています。
宮城県北部・くりこま産の杉は、燻煙乾燥という独自の技術で乾燥させています。囲炉裏で燻したような、独特の香りと、鰹節のようなきれいなピンク色をしています。木が持つ粘り気(強さ)を生かし、木の性質を壊さない乾燥法なので、建具などに用いることが多いです。
いずれの産地とも、生産者と直接つながり、信頼関係を築いています。産地の思いや、どのように手入れをしているのかがわかるので、とても安心です。
大丸建設で使っている国産の木材
大丸建設では、国産の無垢材を使っています。木は樹種によって産地が異なり、適材適所で用いています。
メインで使う杉は、紀州(和歌山県)の山長商店からと、宮城県北部のくりこま木材のもの。一部秋田杉を使用することもあります。
ほかに、高級材として古くから使われている檜、カラマツ、サワラ、そして水に強い青森ヒバを用いています。
昔は、ケヤキやクリなどの広葉樹を内装材に使うこともあったそうですが、いま広葉樹は森林保全などの観点から商業用にはあまり伐採されておらず、付加価値の高い家具用材として流通することがほとんどです。
