第5回 ジャイアンツタウンが映す、稲城のこれから

稲城のまちは、ここ数年で「変化のスピード」が上がっているように感じます。

その象徴のひとつが、南山エリアで進む 「TOKYO GIANTS TOWN」 です。稲城市ではここを“新たな賑わいの拠点”として位置づけています。

2025年には「ジャイアンツタウン スタジアム」が開業し、イースタン・リーグ公式戦の舞台になっています。さらに 2027年には、水族館と飲食施設を含めたグランドオープンが予定されています。

一方で、地元工務店の目線としては、浮かれすぎない距離感も大切にしたいところです。

大きな開発は、街に活気をもたらす反面、生活者にとっては 交通量・人の流れ・周辺環境の変化が現実として起こります。外部環境が変われば、家の中では落ち着いて暮らしたいものです。窓の取り方、断熱、換気、植栽の計画、敷地の使い方など、「家の設計」は、街の変化に対する現実的な備えになります。

 

稲城は、開発と自然がせめぎ合うのではなく、うまく共存してきた街です。ジャイアンツタウンのグランドオープンにワクワクしながら、同時に足元も見失わずに。地域に変化が起こる時ほど、住まいは“守り”を固めていきたいと思っています。

 

第4回 今、稲城市に住むという選択

稲城市は東京の都心と違い、派手に名前が出る街ではありませんが、新築で住宅を建てる価格帯と、開発余地があるため、新規で住宅を取得する方の選択肢にあがりやすいように感じています。

稲城市は都心との距離感が絶妙で、通勤圏でありながら、駅を少し離れると住宅地は落ち着いていて、ほどよい利便性が魅力です。日常生活に必要なものはきちんと身近に揃い、必要以上に人が集中しない分、朝夕の時間帯もどこか穏やかです。

 

家づくりの視点で見ても、丘陵地ならではの高低差があり、風の通り方や日照条件など、土地ごとに個性があり、画一的な家ではなく「その場所に合わせた住まい」が求められます。

 

住む場所を選ぶということは、これからの時間の使い方を選ぶことでもあります。稲城という選択肢は、住宅ローンに追われすぎずに、ほどよく落ち着いた暮らしを思い描く方にとって、十分に検討する価値のある街だと、私は感じています。

第3回 開発と自然のほどよいバランスが稲城市の魅力

私が生まれてからの50年を振り返るとき、同時に思い浮かぶのが、生まれ育った東京・多摩地域の風景です。開発によって大きく変わった部分と、今でも変わらない自然。特に多摩川は私にとって大切な遊び場であり、家族の思い出が詰まった場所です。

 

かつての稲城市は、今よりもずっと農地が身近にあり、畑や雑木林が生活のすぐそばにありました。その後、多摩ニュータウンをはじめとする開発が進み、道路が整備され、住宅地が増え、街としての利便性は大きく向上しました。都心へのアクセスも改善され、利便性も高まりました。

一方で、稲城は開発一辺倒にはなりませんでした。多摩丘陵の地形を活かした緑地や公園、

川沿いの風景など、自然が完全に失われることなく残されてきました。

この街の変化を間近で見てきたからこそ、私たちは「その場所に合った家」をつくる必要があると感じています。街の歴史を知り、変わらない価値を大切にしながら、これからの地域にふさわしい住まいを考える。

それが、この地域で長く家づくりを続けてきた工務店の役割だと思っています。

 

木の表情(4) 柾目と板目、年輪の切り方で変わる木の表情

年輪の重なりは、木材の表情にも大きな影響を与えます。材木の「切り方」の違いによって、木目も大きく変わります。

丸太から板を切り出すとき、年輪に対して直角に切る「柾目(まさめ)」、あるいは丸太に沿って切る「板目(いため)」という切り方があります。これにより、同じ木でも木目の表情や性質に明確な違いが出ます。

柾目は、年輪が直線的にきれいに並ぶため、見た目が安定し、狂いや反りが起きにくくなります。収縮や膨張による木の動きが少なく、寸法安定性に優れています。古くから建具や造作、床柱など、狂いが致命的になりやすい部分に重宝されてきました。 その反面、丸太の中心近くからしか板が取れず量が限られるため、希少で価格も高くなりやすくなります。

一方で 板目は、年輪が波打ったり山形になったり、木らしい豊かな模様を見せてくれます。これは空間に温かみや自然の息吹をもたらす表情になります。リビングや天井、内装の羽目板、家具などに使われます。ただし、年輪の幅や密度のばらつきから、乾燥・湿気変化による木の動きが大きく、反りや割れなどのリスクは柾目より高くなります。

だからこそ、木の家づくりでは「用途」と「目的」に応じて木目を選ぶことがとても重要。

 

和室の落ち着きある空気感をつくるなら柾目。木の風合いや自然のぬくもりを感じたいリビングや天井なら板目。同じ一本の丸太からでも、切り方ひとつで家全体の印象や性能が変わってきます。まさに、木と木目を“読み切る”目が、家づくりの質を左右します。

 

 

2025年の酷暑_4 猛暑日の地点数が歴代最多

 日本で最初に最高気温が40度以上を記録したのは、実は1927年7月22日、愛媛県宇和島市で、その記録は40.2度。その後、1933年7月25日に山形県山形市で40.8度を記録し、その記録は2007年8月16日に埼玉県熊谷市と岐阜県多治見市で40.9度を記録するまで、74年間破られることはありませんでした。

2007年以降、猛暑日の回数は増えてきます。2013年8月には高知県四万十市で41.0度を記録、この年40度以上を記録した地点は8地点と増え、その後、2018年7月には埼玉県熊谷市で41.1度を記録しました。この年に40度以上を記録したのは17地点となりました。2018年以降、毎年40度以上の地点が全国で1〜9カ所あったのですが、2025年はそのレベルがあがり、全国30地点で40度以上を記録することになったのです。

なお、猛暑日は最高気温が35度以上のことをいうのですが、2018年に6479地点を記録して以降、「史上最高に暑い夏」が始まった2023年は6692地点、2024年には8821地点となり、2025年にはついに9385地点となりました。

これらの数字からも、今年の夏がいかに暑かったのかがわかります。

2025年の酷暑_3 早くて短い梅雨

2025年の夏の特徴は、梅雨入りと梅雨明けがとても早かったことが、猛暑の後押しをしたと考えられます。

東北地方を除いて5月には梅雨入りしたところが多く、気象庁によると「かなり早かった」と発表しています。例えば、九州では平年は5月末から6月初旬の梅雨入りですが、今年は5月16日ごろでした。東海や近畿、中国、四国でも5月16〜17日ごろに梅雨入りしており、関東甲信と北陸地方では5月22日ごろの梅雨入りでした。いずれも平年より半月は早い状況でした。

一方で東北地方では6月23日ごろの梅雨入りとなり、平年の6月中旬にくらえて10日以上遅く、関東甲信地方から比べても1カ月も遅い梅雨入りとなりました。

また、梅雨明けは九州から関東甲信越地方にかけて6月27〜29日ごろとなり、平年の7月15〜20日ごろに比べると「かなり早い」梅雨明けだったと言えます。

結果的に、梅雨の期間が「早くて短い」状況となり、降水量も全国的に「少ない」、または「かなり少ない」状況になり、長く暑い夏に影響したと考えられます。

2025年の酷暑_2 平年より2.36度高い気温が意味するところ

2025年の6〜8月の平均気温は、平年より2.36度高く、史上最高に暑い夏だったというこの記録が意味するのは、どんなことでしょうか。平年とは過去30年間の平均値のことで、その年の「平年値」に比べて、どれだけ気温が高いか低いのかについての比較になります。

さて、私はこの数字を見て思い出すのは、今から10年前に発表されたIPCCの第5次評価報告書のことです。地球の持続可能性の指標として「2100年の世界の平均気温を産業革命前に比べて2度未満に抑えることで、気候変動に適応できる可能性がある」というものです。ところが、現時点でそれは達成不可能な目標に近づいているようにも思われ、「2100年には2.8度以上上昇する」という報道もあります。

産業革命前よりも平均気温が上昇している今、日本では1990年代以降の平年値より2.36度平均気温があがった今夏の状況を考えると、気候変動の影響はすでに回避できないものとなり、今後はどのように危機を乗り切っていくのか、私たちは真剣に検討していかなければなりません。

工務店の建築現場でも然り、できあがった家に暮らすお客様のライフスタイル然り。このブログでも積極的に発信していきたいと思います。

2025年の酷暑_1 史上最高に暑い夏を更新

近年の夏の暑さはレベルが変わったと感じるほどで、建築現場で作業をしていると、命の危険を感じるほどです。大丸建設では社員・現場の安全を守るために、さまざまな対策をしていることは以前もこのブログでお話ししていますが、もはや人智では追いつかないほどの状況だとも言えます。

実際に2025年の日本の夏は、「歴代最高気温」を更新しました。8月5日群馬県伊勢崎市で41.8度を記録。静岡県、埼玉県、兵庫県、栃木県、岐阜県、高知県の12カ所で41度超を記録しました。特に8月5〜6日ごろの関東地方の気象予報を見ていますと、埼玉県や群馬県の各地点で「41度」と目を疑いたくなるような数字が並び、日本の気象は大きく変化したのだと実感しました。

 

実際に、2025年6〜8月の国内の平均気温が平年より2.36度高く過去最高となりました。前年の2024年も「史上最高に暑い夏」だったのですが、それをはるかに凌駕する記録となり、あまりうれしくないのが実態です。

リフォームと確認申請_4  制度が変わっても変わらない、心つながるリフォーム

法律や制度は、これからも少しずつ変わっていきます。
今回の改正でリフォームの確認申請が厳格になったのも、その流れのひとつです。家を建てる方にとって新築もリフォームも、断熱性能を明示して、その基準を引き上げて、よりよい住まいをつくっていくという目的があるからこそ、我々も法律を遵守して、書類を整えていきます。
けれど、どんなにルールが変わっても、私たちの家づくりの軸は変わりません。

自然素材を使った住まいは、数字では測れない心地よさがあります。夏の蒸し暑さをやわらげる木の調湿性、冬の冷え込みを防ぐしっかりした断熱。そして何より、大切に手をかけた空間がもたらす安心感。

制度の波に左右されることなく、お客様の暮らしに寄り添い、その家がますます好きになるようなリフォームを続けていきたい。
6代続く工務店として、その姿勢はこれからも変わりません。

リフォームと確認申請_3 変わるのは書類だけ、工事は変わらない

今回の制度改正で、設計や確認申請にかかる手間は確かに増えました。
断熱仕様や構造計算の書類を整え、審査機関に提出し、細かくチェックを受けるといった一連のプロセスによって、施工をスタートするまでの書類仕事は実際に増えていると言わざるを得ません。

しかし、現場での施工内容そのものは大きく変わりません。
無垢材や自然素材を扱う私たちは、これまでも家の性能を高めるための施工を当たり前のように行ってきました。法律が変わったからといって、使う木材や職人の手間を省くようなことはありません。ましてや、耐震性や断熱性といった、お客さまの安全性や快適性を担保することの徹底は、法改正の有無にかかわらず大切にしているところです。

むしろ、書類で性能を示すことが義務になったことで、これまでの取り組みを数字として裏付けられるようになりました。
「変わったのは書類だけ」。私たちはそう言い切ります。
でも、その書類がきちんと審査機関を通るのは、日々の丁寧な施工の積み重ねがあるからこそだと思っています。