社会の化学物質(2)  「香害」とは何か

近年、柔軟剤や化粧品等に含まれる化学物質によって、頭痛やアレルギー、不快感などの健康影響を生じる人が増え、その状況は「香害」(こうがい)として広く社会に知られるようになりました。

「香害」という言葉が使われるようになったのは2000年代に入ってから。それ以前にも言葉がないだけで、化粧品や香水等の香りによって体調不良を訴える人は一定数いたとされます。農薬や合成洗剤等による化学物質過敏症は1960年代からありましたが、特に香害が広がったのは、洗濯物に入れる柔軟仕上げ剤が広く普及してからとされます。香りを持続させるために、目に見えない微細なマイクロカプセルに香料を包み込み、そのカプセルが衣類や肌等に付着して長時間人体の近くに存在することで、肺などの臓器に吸い込まれて体内に蓄積してしまいます。これが、従来よりもひどい「香害」をもたらすようになったのです。

 

 

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