柱→檜という概念からの脱却

私は幼少期から父の背中越しに家業である工務店の仕事を見つめていました。大工さんに憧れ、いつか自分も住まいをつくる人になるんだという漠然としたイメージを持っていました。

学生時代にはすでに大丸建設でアルバイトを始めていたので、かれこれ20年以上もこの仕事に携わっていることになります。20年前は、柱に杉材を使うなんてことは、考えられませんでした。当時の大丸建設は「高級和風建築」が売りだったこともあり、檜の柱が当たり前、予算的にどうしても難しい場合にのみ杉材を使うという感覚でした。

それが変わったのは、2003年に「チルチンびと『地域主義工務店』の会」への加入がきっかけでした。国産材を積極的に活用していくには、構造材で杉材を使用することが不可欠。当初私は「杉は弱いのでは」という感覚がありましたが、工務店の会で大学と連携した強度試験等を見てきて、「杉は強いんだ。構造材に使っても強度は十分である」ということが理論的にわかり、それからは納得して杉材を使うようになりました。

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