酷暑と建築現場_5 素材による熱リスクの違い

酷暑による現場作業は、暑さを遮るものが非常に少ないので、素材を守ることにも腐心します。

例えば金属の屋根材は高温になると熱膨張を引き起こし、サイズがわずかに変形することがあります。金属はキッチンなどの内装に使うこともあり、こうした素材が膨張と収縮を繰り返すことで、固定具が緩んだり、素材が歪んだりする可能性があります。その結果、仕上がりに問題が生じたり、後日修正が必要になる場合があります。特に酷暑の時期には、素材の変形を考慮する必要が出てきます。

一方で、無垢材は金属に比べて熱伝導率が低く、日光に直接さらされても急激に高温になることは少ないです。金属屋根や鉄骨に比べると、触った際の温度上昇が緩やかで、火傷のリスクも低くなります。

金属を扱う作業は特に夏場の暑さを考慮し、比較的気温が低い時間帯に作業するなどの工夫も必要になってきます。

酷暑と建築現場_4 屋根架構をつくる際のリスク

住宅の屋根材はガルバリウム鋼板やスレート材など金属であることが多く、猛暑の中でこれらの素材を扱うのには多くのリスクを伴います。

金属は太陽熱を保持する性質があります。金属屋根は直射日光を受けると非常に高温になり、表面温度が50〜60℃以上に達することもあります。このため、屋根職人さんが金属屋根の上で作業する際には、地面よりもはるかに高温の環境で働くことになり、熱中症の危険性が高まるばかりではなく、火傷を負うリスクもあります。

また、金属屋根材は、雨や汗、結露によって非常に滑りやすくなります。高温環境で汗をかくと、汗で滑りやすくなります。また、ゲリラ豪雨など急な雨や湿気が屋根材にかかると、表面が滑りやすくなり、墜落事故のリスクが高まります。

しかし、屋根がかからないと他の内装工事や電気工事を進められないため、最高気温によって作業を止めるわけにもいかず、現場監理としては非常に悩ましい局面です。

酷暑と建築現場_3 輻射熱や排熱の影響もある

夏場の建築現場が過酷なのは、アスファルトやコンクリートなどの地面や資材が多く使用されており、これらの表面は日光を吸収して高温になりやすいことも一因です。

コンクリートや鉄は熱を蓄え、その熱を輻射して周囲の空気をさらに温めます。実際、気温が高い日には、実際の気温よりも体感温度が高くなります。特に基礎コンクリートの打設作業では、これらの材料が高温になるため、職人さんたちにとって過酷な環境となります​。

さらに、機械や重機からの排熱も暑さを助長します。建築現場では、クレーンや重機、発電機などの機械が稼働しており、これらから放出される排熱が現場の気温をさらに上昇させます。エンジンや排気管から放出される熱風によって、職人さんたちは暑さを感じ、熱中症のリスクも高まります。

酷暑と建築現場_2 屋外での肉体労働

建築現場が特に暑く感じられる理由は、いくつかの要因が組み合わさっていますが、物理的、環境的、そして作業自体の性質によるものなどがあり、酷暑によって影響がさらに大きくなっていると思われます。

まず、直射日光と遮蔽物の少なさが挙げられます。建築現場では、工事が進むにつれて壁や屋根が完成するまでの期間、ほとんどの場合は、屋外での作業が中心となります。

上棟して屋根がかかるまでの間、職人さんたちは常に直射日光にさらされることになり、特に夏場は気温が急激に上昇するため、体力に負担を与えます。

また、建築現場は作業の性質上、広いオープンスペースであることが求められ、影になる部分が少ないため、日陰で休息を取る場所が限られます。太陽が高い時間帯には気温も上昇するため、特に熱中症のリスクが高まります。

酷暑と建築現場_1 真夏の建築現場の環境

2024年の異常な暑さは、建築現場での作業環境を一層厳しいものにしました。大丸建設の建築現場でも、最高気温が40度近くになった日に上棟が行われたのですが、あまりの暑さに作業が進まず、本来ならば1日で終えるべき作業を2日かけて行う事態になりました。レッカー車を2日頼むことになり、猛暑が工期に影響を及ぼすことがある時代になったのだと痛感しました。

真夏の建築現場はこれまでも過酷な環境でしたが、特に史上最大の猛暑となった2023年、2024年を経て、職人の健康や安全、お客さまへの工期を考えても、これまで通りの暑さ対策ではままならない状況です。特に真夏の現場作業は今後、命に関わってくる可能性があるので、本当に現場を動かせるのか、また働く職人さんたちへの工賃の課題など、社会全体で考えていく必要があります。

実際に猛暑によって、建築現場にどのような負担や危険があるのかについて、まとめてみたいと思います。

林業の未来_8 林業の明るい未来を期待したい

若い世代の林業への就業に向けて、林業を学ぶための教育プログラムや訓練施設の充実も、近年は目を見張ります。例えば、全国の農業大学校や専門学校では、スマート林業に関するカリキュラムが導入され、最新技術を学べる環境が整っています。また、林業に特化したインターンシッププログラムも増加しており、実地経験を通じて林業の魅力を実感する機会が提供されています。

加えて、政府や自治体の支援策も充実しており、林業就業者支援金や若手林業者向けの研修プログラムなどが展開されています。これにより、経済的な不安を抱えずに林業に参入できる環境が整いつつあります。

日本の林業が持続可能でなければ、私たち大丸建設も持続可能ではありません。若い世代の林業の担い手が育つことで、国産材を使った家づくりを続けていくことができます。一方で、大工などの職人や工務店の現場監督も若い担い手育成が急務ですので、私たちも業界として一丸となって人材育成を進めていかなければなりません。

林業の未来_7 若者の林業従事につながるか

スマート林業の普及によって、実際に林業に若者が参入するようになってきているのでしょうか。

2022年の林野庁の報告によれば、2020年における林業従事者数は43,710人で、全産業の平均年齢48.0歳に対して、林業従事者は52.1歳となります。高齢化率は高いと言えるでしょう。ただ、1990年にはわずか6%の若年者率は2020年に17%まで回復しており、特に伐木・造材・集材従事者数の年齢階層別にみると、40~44歳が最も多くなっており、若返りが顕著であることがわかります。

林業のデジタル化や自動化が進むことで、従来の3K(きつい、汚い、危険)イメージが改善され、若者が興味を持ちやすくなった結果です。

林野庁では、林業に関心のある都市部の若者に向けて、就業相談等を行うイベントの開催や、就業希望者の現地訪問の実施などの「緑の雇用」事業を始めています。2021年度はこの緑の雇用によって720人が新規に就業しており、今後定着化に向けてのサポート体制も整っています。

林業の未来_6 3K林業からの脱却へ

林業が「3K」と言われてきた理由は、主に「きつい」「汚い」「危険」という労働環境の厳しさからです。これにより、若い世代が林業に興味を持たず、後継者不足が深刻な問題となっていました。

まず、「きつい」という点については、林業の仕事は肉体的に非常にハードです。山中での伐採作業や重い木材の運搬は、体力と持久力が求められます。長時間の作業や悪天候での作業も一般的で、心身に大きな負担がかかります。

次に、「汚い」という点では、森林作業は泥や木くず、油などで汚れることが多く、作業環境も快適とは言えません。「危険」という点も大きな問題です。高い木を伐採する際の事故や、重機の操作ミスによる怪我など、林業には多くの危険が伴います。これが安全性に対する不安を生み、さらに後継者不足を招いています。

こうしたことから、林業は慢性的な人手不足に悩まされてきました。また、後継者が少ないため、高齢化が進み、技術や知識の継承が難しくなっています。さらに、経済的な面でも林業経営は厳しい状況にあります。市場価格の変動や、輸入木材の増加による価格競争が影響し、持続可能な経営が難しい状況に陥っていました。

これらの課題を解決するためには、スマート林業の導入が重要です。技術の革新により、作業の効率化と安全性の向上が図られ、若い世代が魅力を感じる環境が整いつつあります。

林業の未来_3 ドローンを使えると何がいいのか

ドローンや人工衛星を用いた森林のリモートセンシング技術について、林業は大きく効率化を果たすことができました。この技術は、森林の状態を上空から撮影し、画像データを分析することで、従来の方法よりも効率的に森林管理ができるようになりました。

これまでの林業では、森林の状況を把握するために人手による調査が主流でした。これには時間と労力がかかり、広範囲のデータ収集が難しかったのです。しかし、リモートセンシング技術を使えば、ドローンや人工衛星が定期的に森林の全体像を撮影し、植生の変化や樹木の健康状態を把握することができます。

例えば、ドローンは低空から高解像度の画像を撮影し、樹木の病害虫被害や土壌の浸食など細かな変化を捉えることができます。一方、人工衛星は広範囲の森林をカバーし、季節ごとの変化や大規模な森林火災の早期発見に役立ちます。

これにより、森林の状態をリアルタイムで監視でき、異常が見つかれば迅速に対応することが可能になります。また、これらのデータを蓄積し、長期的な森林管理計画に活かすこともできます。リモートセンシング技術の導入により、スマート林業はより持続可能で効率的な形へと進化していると言えます。

林業の未来_2 最新のデジタル技術を活用

林野庁が進めているスマート林業とは、最新のデジタル技術を活用して林業の効率化や持続可能性を高める取り組みです。この取り組みでは、ドローンや人工衛星を用いた森林のリモートセンシング技術が重要な役割を果たしています。森林の状態をリアルタイムで把握し、適切な管理や伐採計画を立てることができます。

また、IoT技術を利用したスマートセンサーは、土壌の湿度や気温、降水量などを継続的にモニタリングし、データを蓄積することができます。これにより、森林の健康状態を正確に評価し、必要な対策を迅速に行うことが可能になります。さらに、伐採や運搬の自動化も進んでおり、作業の効率化と人手不足の解消につながる可能性があります。

これらの技術革新は、森林資源の持続的な利用を支え、地球温暖化防止にも大きく貢献します。スマート林業の推進により、環境保護と経済発展を両立させる新たな林業の姿が実現されつつあります。