木の表情(1) 建築用材としての杉にも個性や表情がある

気がつけば、もう師走です。一年を振り返りながら、住まいのことを考える方も多い時期ではないでしょうか。私たち大丸建設が日々向き合っている「木」について、実はすべて同じではなく、一つひとつに個性や表情があることをお話ししてみたいと思います。

日本の木造住宅で、最も身近な存在といえるのが杉です。古くから柱や梁、床材として使われてきましたが、それにはきちんとした理由があります。

杉の特長は、まずその軽さです。木材の中でも比重が小さく、建物全体を軽くつくることができます。これは地震の多い日本において、大きな利点になります。建物が軽いほど、地震時に建物へかかる力は小さくなるからです。

また、杉は加工性に優れています。鋸や鉋が素直に入り、大工の手仕事に応えてくれる木です。仕口や継手といった、日本の木造建築に欠かせない技術を成立させてきたのも、杉という素材の性質があってこそだと思います。

さらに、断熱性や調湿性にも優れています。冬は冷えにくく、夏は熱を溜め込みにくい。触れたときのやわらかさや、どこかほっとする感触も、数値には表れにくい大切な性能です。湿気がある時には空気中の水分を吸収し、乾燥している時には放出する。そんなふうに、室内空間を快適にする役割も果たしています。

見た目がやさしいだけでなく、構造的にも、暮らしの面でも理にかなった素材。それが、建築用材としての杉なのです。

 

 

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