大工の健気

清水が丘の家
100415_1701~01
キッチン前の目地はグレー
100415_1659~01
ここの目地はホワイトで
100415_1707~01
K大工が天井板を張っていた
天井板は本実加工されたものの凹側に太いホッチキスのタマのようなものを電気タッカーで打って留め、
次に凸側を差し込むということを繰り返す。よって、釘は使わない。
しかし、K大工の口はもごもごしていた・・・見ていると出てきたのは丸ビス
端部はビスで野縁に留めるために使用する。
っていうか・・・ビスを口から出す人をはじめて見た。
父が釘を口からにょろにょろ出しているのを見たときは驚いたものだ。父も大工だった。
しかーし!K大工のにょろにょろはまったく成っていない・・・それは仕方がないとしても、そもそも口に釘
を含む行為はげんのうで打ちつける作業の時。リズムに乗ってトントンと打つのだ。
丸ビスは電動工具を使うのだ。ほとんど意味ないかと思われる。
想像だが、きっとK大工は一人前の大工にはるには「口から釘だ!」と考えているのではないだろうか。
そのために、日夜、釘(じゃないけど)を口から出す練習をしていたのだろう。
そう、努力していたのだ!
それなのに、今回は見られてはいけない人物に見られてしまったというわけである。
運が悪かった。
Ⅰ「えーっ!なんでビス?・・・ちゃんと出てこないようですが、うちのお父さん呼んでコツ教えてもらう?」
K「平成の大工はビスなんす(ふんっ)!!・・・お父さんはトントン葺きやってたんスカ?」
Ⅰ「トントン葺きじゃなくても昭和の大工はいつも釘使ってたのー!昭和のほうが絶対カッコイイー!
  上島さーん(大棟梁)、K大工がビスを食べていまあーーす」
大棟梁「・・・へー。よっぽど腹へったんだねぇ」
Ⅰはまた、健気な大工の心を傷つけてしまった。
100416-8.jpg
杮葺き(トントン葺きと同じ?)
100416-7.jpg
昔の釘
☆ 後日の電話インタビュー ☆
I父「ビスだって口にいれるさ」
I 「えー。そうなの?初めて見たけど」
I父「・・・あなたも現場をしらないねえ。ボード留めるときとか両手ふさがってるっしょ。
   でも、ビスは口のな中が傷つくから嫌だけどね」
・・・今度、現場へ行くときは「口内用軟膏」でも持っていこうか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です