都市に緑が増えてほしい

 ゲリラ豪雨が起こる原因の一つが、単なる異常気象とは言い切れないと、最近の調査からわかってきています。特に都市部では、エアコンの排熱やアスファルトからの照り返し、クルマの排気ガスなどによるヒートアイランド現象で上昇気流をつくり出し、熱が上がって上空の冷たい空気にふれ、雨が降ってくる……つまり、私たちの社会活動が気象に影響を及ぼしているということです(もちろん、気象的な要因の方が大きいのですが)。
 とはいえ、すでに成り立っている都市生活や経済社会を否定することでは、こうした異常気象への対応にはなりません。都市のメンテナンスにはお金がかかり、都市の再構築は今後数十年単位で考えていかなければならないことです。
 しかし、昔に比べ都市に街路樹が少ないこと、土にふれる機会が少なくなったことには危機感を覚えています。土や緑は、都市景観に潤いを与えるだけではなく、気温の緩和にも十分効果的であることが解明されています。異常気象の緩和のためにも、都市に緑が増えることを期待します。

ゲリラ豪雨は雲に気をつけよう

 今年の夏は、四季がなくなってきている実感を飛び越え、ゲリラ豪雨や雷雨など、いきなり極端な気象が私たちを脅かしていると感じています。
 昔から夕立はありました。最近のゲリラ豪雨は、東南アジアのスコールとは比較にならないような、極端な災害を引き起こしています。山口県や島根県で起こった水害、東北地方を襲い長期間の断水を引き起こした水害や、私たちの暮らす東京でもゲリラ豪雨により目黒川が冠水するなど、多くの被害をもたらしています。
 ゲリラ雷雨が起こるときの雲の様子も変わってきました。昔であれば積乱雲(入道雲)を空に発見した時は夕立に気をつけよう、くらいの感覚で済んでいましたが、最近ではまるで映画のワンシーンのように突如空が暗くなり、どう見ても「雨や雷をはらんでいる」と思えるスズメバチの巣のような形をした黒い雲が出てきて、突然、ひどい豪雨が降ってきます。
 この極端な気象から身を守るための適応策が、私たち自身にも求められていると感じています。

私の熱中症対策

 私は、防災グッズとして、常に飴を鞄の中に忍ばせています。例えば都心で震災に遭って帰宅難民になって、喜多見まで歩いて帰ることになった時に、飴が一つでもあれば、精神的にもだいぶ救われるからです。
 最近では、飴は熱中症対策にもなると思っています。特に、塩飴。熱中症はカラダの水分や塩分が急に失われることで起こります。塩分を手軽に補給ができる塩飴は、熱中症対策の観点からも注目を集めており、最近はいろんなメーカーからいろんな味の塩飴が出ていますね(梅干しの飴もいいですね)。 それから、水分をこまめにとることも有効です。猛暑だと知らずのうちにカラダから汗が流れ出て、体温が上がってしまいます。必ず、水筒やペットボトルを持ち歩き、汗をかいたら水を飲むようにしています。
 もう一つ心がけているのが、直射日光にはなるべく当たらないようにすること。木陰やアーケードなどを目指して、帽子がない時はタオルをかぶるようにしています。
 そう考えると、毎日外に出て、炎天下の中を作業している職人さんは、本当にすごいなあと思います。体調を崩すことなく、きちんと猛暑のなか作業をして乗り切っています。気力、体力、プロ意識に、心から尊敬します。

猛暑の日にクルマに乗って感じること

 外気温が30℃を超え、特に猛暑日は、クルマに乗ってエアコンをつけても、効くまでにかなりの時間がかかります(省エネのために冷房を我慢する……のは、この暑さではナンセンスです。熱中症にかかって体調を崩してしまっては本末転倒ですから)。それがなぜか考えてみると、クルマにはほとんど断熱性能がないからですね。
 クルマは鉄板とシングルガラス、そして少しの断熱材で構成されています。クルマにしっかり断熱が施されていれば……と思いますが、そうすると車体も大きくなり、かつ重量も増し、製造コストも上がり、燃費は下がる……。せめて、窓ガラスがペアガラスや遮熱ガラスであれば、かなり変わってくるのではないかと思うのですが……。

今夏の猛暑はすさまじい

 今年は梅雨明けが例年より早く、七夕の頃、暦の上では「小暑」の時期に連日35℃を超えるような猛暑が続きました。1カ月後、「立秋」の頃にも35℃を超える猛暑で、高知県四万十市では最高気温が41.0℃となり、国内最高気温を更新しました。
 近年、日本の四季がなくなってきている実感があります。私が子どもの頃は、春夏秋冬のメリハリがあり、新芽や花が萌え出る春、清々しい初夏、梅雨、そして暑く元気が出る夏、空気が澄んだ秋、そして冬の寒さ……と、それぞれの季節の風物詩を楽しんでいました。
 ところが最近では、四季のよさを感じる間もなく、春は花粉症、清々しい初夏の季節は短くすぐ梅雨入り、そして猛暑、ゲリラ豪雨、さわやかな秋も短くすぐ冬……と、快適な季節が極端に短くなっているような気がします。