2018年04月16日(月)

二つの基準の算出方法

住宅の一次エネルギー消費量を計算するには、建物の冷暖房や給湯、設備機器にかかるエネルギーの消費量の合計を算出し、そこから床面積に応じて設定された標準的な一次エネルギー消費量を計算します。新築住宅の設計時の一次エネルギー消費量が、国の改正省エネ基準による一次エネルギー量より低いことが、2020年より義務化されます。

 

また、日本全国を8つの地域区分に分け、地域ごとに建物外皮の断熱方法も算出しなければなりません。これまでQ値(熱損失係数)で示されてきたものは、UA値(外皮平均熱貫流率)に変わり、建物が損失する熱量を外皮等の面積で割って計算します。μ値(夏季日射取得係数)は(冷房機平均日射熱取得率)となり、建物が取得する日射量を外皮等面積で割って計算します。

この「一次エネルギー消費量」と「外皮の省エネ性能」の二つの基準を守ることが、2020年より義務化されるのです。

2018年04月12日(木)

一次エネルギー消費量とは

改正省エネ基準では、建物外皮の断熱性能に加え、一次エネルギー消費量についても評価されます。

そもそも、一次エネルギー消費量とは、どのようなものでしょう。

まず、一次エネルギーとは、水力、風力、太陽光など、自然エネルギーと、石炭や石油など、自然から得られるエネルギーそのもののことを指します。一方で、ガソリンや電気として使いやすく加工されたものを二次エネルギーと言います。

一次エネルギー消費量とは、建物で使われる冷暖房、給湯、照明、換気設備、家電などの設備機器に使われるエネルギーを、一次エネルギーの熱量に換算したものを言います。ガソリンや電気のような二次エネルギーの場合、m3やkWといったそれぞれのエネルギーによって単位が異なりますが、一次エネルギー消費量の場合は「熱量(GJ(ギガジュール)」という単位で表現します。

 

2018年04月09日(月)

建物の外皮だけでなく一次エネルギー消費量も判断軸に

1999年に定められた次世代省エネ基準は、建物の開口部(窓やドア)や壁などの断熱性能で判断していました。日本を北海道、東北や長野などの寒冷地、南東北や北関東地方、首都圏などのやや温暖な地域、東海・近畿などの温暖な地域、九州や沖縄などの暑い地域と6区分にわけて、地域ごとに目安にすべき建物の外皮性能が示されていました。

次世代省エネ基準では、延床面積に対して建物(外皮)から逃げる熱量を「Q値(熱損失係数)」、同じく延床面積に対して建物に侵入する日射量を「μ値(夏季日射取得係数)」として評価します。

 

2013年の改正省エネ基準では、計算方式を変え、建物外皮の断熱性能に加えて、「一次エネルギー消費量」も判断の基準に加えられることになりました。

2018年04月05日(木)

住宅の省エネ基準の変遷

日本の住宅の省エネ基準は、欧米各国に比べると遅れていると言いましたが、これまでに基準がなかったわけではありません。日本の省エネ基準は1980年に初めて決められ、その後何度かの改定を経て、1999年に定められたのが「次世代省エネルギー基準」です。

「本当にすごいエコ住宅をつくる方法 最新版」野池政宏・米谷良章 より

さらに東日本大震災を経て、暮らしに関わるエネルギーについて考える機運が市民の側にも立ち上がりました。こうした世論を受け、2013年には国の「エネルギー基本政策」が改定され、同年、省エネ基準についても「改正省エネ基準」が導入されました。1999年の省エネ基準は義務ではなく目安でしたが、2013年省エネ基準には、2020年までにすべての新築住宅・建築物で守ることが義務化されることになり、これは住宅業界にとっては画期的なことと言えます。

2018年04月03日(火)

2020年、新築住宅の省エネ基準が義務化されます

地球温暖化やエネルギーの枯渇といった環境問題が深刻になり、世界全体でエネルギーの使用量を減らすために、各国で積極的な省エネルギー対策が進められています。日本は資源に乏しくエネルギー源のほとんどを輸入に頼っています。そんな日本がエネルギーで世界に貢献できるのは、省エネ技術です。これまで家電のエネルギー効率は世界トップクラスで世界をリードしてきましたが、住宅の省エネルギーについては対策が進んでおらず、欧米と比較しても建物の断熱基準は低く世界のトレンドから取り残されてきた感があります。

 

2013年に国のエネルギー政策の方向性を示した新しい「エネルギー基本計画」が発表されました。そこには、地球温暖化の原因物質とされる二酸化炭素(CO2)の排出量を削減するために、家庭部門の省エネルギーを強化する指針が盛り込まれています。その一つが、「2020年までに新築住宅・建築物について段階的に省エネルギー基準の適合を義務化する」というものです。

2018年03月26日(月)

ぜひ読んで欲しい「東京防災」

東京都総務局総合防災部が2016年3月に発行した、東京都民向けの防災ブックレット『東京防災』。東京都民に無料で配布されたのですが、防災に関するあらゆる知恵が網羅され、イラストをふんだんに使用してあるのでわかりやすく、とても評判がよいため、首都圏のほかのエリアにも広まり、電子ブックなどでも無料でダウンロードできるようになりました。

 

東京都防災部の情報は、日々アップデートされており、女性視点での防災や、防災アプリの開発など、多岐にわたって防災の普及・啓発をしています。

http://www.bousai.metro.tokyo.jp

防災は日頃からの心がけが何より大切です。大震災に見舞われた時、人はパニックになってしまいがち。だからこそ、冷静に状況を分析して、まずは命を守る、それからどのように生き延びるか考えて行動する、人を助ける、などに移れるように、普段から準備をしておいて、まさに「備えあれば憂いなし」で、動いていくことをお勧めします。

2018年03月22日(木)

首都圏で30年以内に70%の確率で大地震が起こる

国の有識者で構成される中央防災会議の首都直下地震対策検討ワーキンググループが2013年12月に発表した資料によると、今後30年以内に70%の確率で起こるとされるマグニチュード7クラスの地震では、死者が最大で2万3000人にのぼると想定されています。直下型の地震の場合、断層があるエリアと、直下型地震の震源域になるエリアなど、全部で19のケースが想定されています。発生時間や状況で、被害の程度は異なると思いますが、大丸建設の近くでは、立川市直下地震、立川断層帯の地震に注目をしていきたいと思います。

http://www.bousai.go.jp/jishin/syuto/taisaku_wg/pdf/syuto_wg_report.pdf

こうした防災シナリオは専門用語が難しく、読み進めるのが大変な向きもありますが、むやみやたらに怖がらず、冷静に対策するためにも、専門家による評価はきちんと押さえておく方がよいと思います。

2018年03月19日(月)

直下型地震は局地的な揺れ

東日本大震災はプレート型地震であるのに対し、阪神・淡路大震災は直下型地震です。直下型地震はプレート型地震に対して地震の規模そのものは小さく、被害範囲も半径30km程度ではありますが、震源が浅いと大きな被害をもたらします。阪神・淡路大震災がその例です。神戸は壊滅的な被害を受けたものの、電車で30分程度の大阪は日常生活を送っている、そのギャップが話題になりました。死者数は6,435名。そのうち約6000名は圧死とされます。地震発生が早朝で就寝中に建物や家具等の倒壊による圧死がほとんどと思われます。倒壊した建物の多くは古い木造家屋で、「建物によって亡くなった」震災として、私たち建築士には大きなインパクトを与えました。

一方で、冬季の早朝という発生要件から、多くが自宅で被災し、安否確認がしやすい状況であったこと、外出者が少なく市街地や道路等での被害が少なかったことなど、地震の規模からすると被害は軽減されたという見方もあります。

2018年03月15日(木)

多摩エリアには立川断層がある

阪神・淡路大震災は直下型地震で、直下型地震は活断層のずれなどによって発生するため、活断層が走っている地域では、慎重かつ厳重な防災対策と、耐震対策が必要です。

 

東京都内では、奥多摩地域から立川を経て、国立から多摩川までのびる「立川断層」が存在します。立川断層の活動周期は5000年程度と予想されており、近未来に断層のズレが起こる可能性は少ないと言われています。大丸建設のある稲城市や、多摩市、調布市、府中市、日野市も立川断層から近いため、私たちの建てたお客様に対して、きめ細やかなフォローが必要だと思っています。

ただ、必要以上に住民の不安をあおらず、断層の存在は認めつつも活動周期からは直近での大地震につながる可能性は決して高くないとも言われているので、備えあれば憂いなしと準備をしつつ、日頃からの防災意識を呼びかけたいと思います。

2018年03月12日(月)

東日本大震災で直接死は少ない

東日本大震災で最も大きな震度7を観測したのは、宮城県栗原市、木材産地でもある「くりこま高原」のエリアです。くりこまは近年、度々大地震に見舞われていますが、その経験もあったのか、東日本大震災の時には人的被害(死者)はなく、大きな施設被害もありませんでした。

東日本大震災は、何と言っても、津波の被害が大きかったのです。死者数は現時点でわかっている方で15,893名(さらに行方不明者が2.553名います)、東北3県以外でも、東京・神奈川を含む関東地方で61名の死者となりました。死因の90%は溺死で、残り10%の圧死・損傷死・焼死も、ほとんどが津波による瓦礫が原因とされています。地震の揺れによる建造物の倒壊や落下などによる直接死は100人以下と推計されています。東日本大震災はプレート境界型の地震です。

 

同じく最大震度7を記録した熊本地震は、内陸型地震と呼ばれ、大陸プレート内の断層ズレによるものです。震災での直接死は50人、車中泊などによるエコノミークラス症候群といった震災関連死が102人です。