住宅地の価格は都区部と比べて安い

住宅地の公示価格は都区内では1平米あたり549,100円なのに対して、多摩地域では206,100円と、居住コストが都区内と比べてとても安いと言えます。特に南多摩地域は比較的都心にも出やすいことから、新規住宅取得に対して優位性があると言えそうです。

多摩地域はオフィス家賃も安い傾向にあるので、新規創業にも有利と言えます。ベンチャー企業やスモールオフィスといった、新しい働き方を目指す人には、魅力的な地域ではないでしょうか。

市民農園の数や指導員の設置割合は都心に比べて圧倒的に多く、また人口一人あたりの都市計画公園の面積も7.8m2と、都区部の4.6%に比べて大きく、暮らしやすい環境と言えそうです。

南多摩エリアは高齢化が顕著

大丸建設のある「南多摩エリア」(八王子市、町田市、日野市、多摩市、稲城市)は、多摩地区のなかでも比較的都心に近い為、人口は143万人とエリア内でも多く人口現象スピードも比較的ゆるやかです。高齢化は進んでおり、約143万人の人口に比して35万人と多いです。多摩地域全体では2015年の高齢化率は約24%ですが、2040年までには約35%と、3人に1人は高齢者という時代が間もなく到来します。2025年には後期高齢化率(75歳以上人口の割合)は現在より約5%上昇して、約16%となる見込みとのことです。

 

南多摩エリアは八王子市や町田市に大学が集積していますが、近年、大学の都心への移転傾向が見られる不安要素もあります。大学や研究機関が集積していることは南多摩エリアの魅力の一つでもあるので、跡地などの有効活用が期待されます。

今後の多摩地域について

東京都総務局が出した報告集によると、多摩地域の地勢や人口、土地利用、産業構造などはそれぞれ異なるため、多摩地区を西多摩エリア(青梅市、福生市、羽村市、あきる野市、瑞穂町、日の出町、奥多摩町、檜原村)、南多摩エリア(八王子市、町田市、日野市、多摩市、稲城市)、北多摩西部エリア(立川市、昭島市、国分寺市、国立市、東大和市、武蔵村山市)、北多摩南部エリア(武蔵野市、三鷹市、府中市、調布市、小金井市、狛江市)、北多摩北部エリア(小平市、東村山市、清瀬市、東久留米市、西東京市)と5つにわけて、今後の地域展望について分析しています。

2015年の国勢調査によると、多摩地域の人口は約422万人。人口のピークは2020年に423万人と推計され、その後はゆるやかに減少が続きます。2035年には人口が403万人となり、2040年には392万人となります。今後の人口減少は避けられないなかで、魅力ある地域づくりをすることで地域活性化をはかっていくことが大切です。

木造住宅が斜めに崩れる理由

その後、東京に戻ってから、建築仲間や、被災地ボランティアに関わった方々に、東北内陸部での被災状況について話を聞く機会がありました。写真を見ると、 1階がゆがんで崩れている住宅、斜めに傾いている住宅などがありました。これらはほとんどが、1981年の建築基準法改正前、「旧耐震基準」の住宅であった思われます。

建築基準法は2000年にも改正され、住宅の耐力壁の配置バランスなども重視されるようになりました。それまでは、耐力壁の壁量があればよしとされていたのですが、南面に大きな開口部をもちそこに耐力壁が配置されていないと建物が均等に揺れの力を受けたり逃すことができず、一方に負荷がかかり、壁が弱い部分が崩れてしまうのです。

崩れている家で外観が比較的新しいと思われるものは、「新耐震基準」で壁量が足りていても、壁の配置バランスが悪い、いわゆる「グレーゾーン住宅」だと考えられます。耐震基準で1981年から2000年までに建てられた住宅は、グレーゾーンのものが多いので、「新耐震だから安心」とは思わず、不安になられたら耐震診断を受けられることをお勧めします。

東日本大震災後、現地へ行って。

2011年の東日本大震災後、連休を利用して、宮城県から岩手県にかけて、建築仲間と一緒にボランティアに行きました。私は一級建築士で東京都の耐震診断の登録事業者、応急危険度判定の資格保持者ということもあり、建築の視点から被災地のお役に立ちたいという気持ちでいました。

 

私は海岸線上を北上していったため、現地に行って、言葉を失いました。元の景色を知らないからなんとも言えませんが、「何もない」というのが第一印象。木造の戸建て住宅は津波に流され、かろうじて残っているのが鉄筋コンクリート造の学校や公共施設の、フレームだけが残っているという感じでした。

内陸部の被災状況を把握していませんでしたが、私が見たなかでは、木造住宅が残っているケースは見られませんでした。

「建ててからが本当のお付き合いの始まり」

大丸建設の現社長・安田昭は、いつも「建ててからが本当のお付き合いの始まり」 と言っています。工務店と言えば、家を建てるのが仕事、と思われがちですが、本当は家を建ててそこでの暮らしが始まったあと、使うなかで不具合が生じたり、ライフスタイルの変化による間取りの変更など、メンテナンスやリフォームが必ず必要になってきます。その時に、「あ、大丸さんに頼もう!」と思っていただけるような、お客様とのさりげないコミュニケーションを続けていく必要があります。

大丸建設が2カ月に1回発行している「大丸ニュース」は、お客様に大丸建設を思い出してもらうための大切なツールですが、それだけだと一方通行になりがちなので、年に一度は、OBのお客様のもとに直接出向いて、御用聞きをしたいと思っています。スタッフで手分けをしてOB客訪問をしていますが、お客様とのコミュニケーションは、私たちにとって、事業継続のための強い意志を与えてくれる経験です。

 

今月は大丸建設の「経営」についての考えをまとめました。

「お客様の夢」をつくる現場

現場監督から経営者の立ち位置に変わってなお、私が現場を大好きでたまらない理由は、「現場」がお客様の夢をつくる場所であるからにほかなりません。建築現場を通りすがるご近所の方が、「あ、この現場、何か違うな、いい感じだな」「いい仕事をしているな」と思ってもらえるくらいに、清々しい空気が醸し出されているような、そんな現場をつくっている自負があります。

 

それが、きっと口コミにつながっていくだろうし、何よりお客様の喜びになります。そして、私たち自身も、木の家づくりの現場が、本当に好きなのです。

大丸建設には、木造建築文化の担い手としての誇りをもっている、腕のいい大工と職人がそろっています。つくる側も、本当に楽しそうにうれしそうに、木に触れています。休憩中に飲む一杯のお茶。その時の職人さんのいい笑顔。いい現場がいつもそこにある、それが私の喜びなのです。

 

経営も現場も大切にする

大丸建設の社長交代・世代継承に向け、この数年間、いろいろ準備をしていますが、人材の安定と経営の安定、両方が成り立って、ようやく社長も安心して隠居できるのかな、と思います。

私は、バリバリの経営者タイプではありません。パソコンを前に図面を引いたり、パチパチと数字を打ったり、新しいビジネスモデルのスクールに嬉々として通うよりも、建築の現場が好きで好きでたまらず、木の香りのする空間にいるだけで落ち着きます。だけれども、5代続く家業を継承する運命を背負って生まれたからには、木が好きな大工さんや職人さん、木造建築が好きなスタッフ、そして木造建築の文化を次世代につないでいく責務があると思っています。

 

決して得意ではない経営にも真面目に向き合い、「現場」をよく知る経営者として、つくり手も住まい手も「心がつながる家づくり」を目指し、大丸建設を大切に育てていきたいと思っています。

銀行という頼りになるパートナーを得た

大丸建設の単年度決算が黒字に回復したのは、パートナーのメインバンクが変わったことが大きいです。融資の担当者が熱心に大丸建設に通ってくれて、経営についてのアドバイスをしてくれ、事業年度も変更して、「数字」がとてもクリアにわかるようになりました。

 

現場がわかると、その先にいつ、何を、どのように対策しなければいけないのかがわかります。新築を何件受注する、リフォームが大規模、中小規模何件で、それに軽微な営繕を加えていく。具体的な目標と期限を決めて、動き方が見えてくるようになりました。

まだ実際には思う通りにできていないのが現場ですが、会社として当たり前のことを、当たり前にできるようにして、急成長もしないけれども、コツコツと健全に事業を継承していけるよう、努力していきたいと思っています。

主婦パートを積極的に雇用したい

大丸建設は社長が70代、さらに定年後の田上にお願いして雇用延長をして、なんとか事業を回している感じです。とはいえ、この体制もあと2、3年のことと思います。ですので、次世代の求人を強化していくのが今年の大切なポイントです。

昨年、子育て中の坂本をパートに迎えたことで、雇用に関する私の考えが大きく変わりました。私の母が専業主婦だったこともありますが、子育て中の女性が専門職として働くイメージをあまり持てずにいたのです。坂本は以前、自然素材の建材会社で働いていたこともあり、大丸建設の大切にしているコンセプトに関して一定の理解があることも大きいですが、有能な女性が子育てを理由に社会に出られないのはもったいないなあ、と思うほどに優秀です。

 

思えば田上も子育てをしながら(現在は孫育ても!)大丸建設で長年働いてくれています。子育て中の方は時間に制限があるからこそ、時間の使い方を工夫しながら、効率的に働こうとします。ぜひ、こうした女性の力を借り、大丸建設で柔軟な働き方を実現したいと思っています。