家電の熱を感じたら買い替えどき

パソコンやスマートフォンなどもそうですが、長時間使っているとだんだん熱くなってきているのを感じませんか。そういう時に限ってバッテリーの消耗が激しいのですが、それだけ電力を消費しているということもできます。

テレビやパソコン、プリンターなどの情報機器も通電すると熱を持ちます。熱=消費電力と考えると、熱が出るほどにエネルギーを消費していると言えます。白熱電球が点灯している時は熱くてさわれないほどですが、LEDの場合はそれほど熱を持ちません。つまり、熱を感じる家電は省エネでない、電気代を無駄に使っているということになります。

家電の買い替え時は壊れた時、というご家庭が多いとは思いますが、実は排熱が不快になったら買い替え時、というのがこれからのスタンダードになるといいなと思います。

冷蔵庫が熱いお客様の悩み

今年の夏、OBのお客様に「冷房してもなかなかリビングダイニングが涼しくならず、どうしようと思っていたら、冷蔵庫のそばにいると暑いことに気づいたんです」と、相談がありました。

大丸建設で13年前に内装リフォームを担当したご家庭で、南面にリビングダイニング、扉でしきらずにキッチンが続いている間取りで、リビング側に冷蔵庫がありました。7年前にリビング部分の窓を断熱窓に取り替えるリフォームをしたので、エアコンが効くはずなのに、ここ数年はリビングに近い場所は暑くて仕方がない、とのことでした。

お話をうかがうと、冷蔵庫が古くなってパッキンが劣化し、庫内が結露することが増えてきていて、そんな時に冷蔵庫の角の部分がものすごく熱くなって、周りに熱を放出しているとのことでした。

家電の排熱がまるで暖房のような役割を果たし、エアコンで冷房をしている横でストーブを焚いている状態になっていたのです。

日射を制するものは省エネを制する!?

先月、工務店仲間と省エネの学習会のために名古屋に行ってきました。その時に語られたのは「夏は日射遮蔽、冬は日射取得」がカギであるということ。夏の日射遮蔽のアイテムとして、すだれやブラインドのお話を8月にしましたが、冬の場合は「いかに日光を室内に入れて温めるか」です。もちろん、温めた熱を逃さない断熱も重要です。一方で、日光はゼロエネルギー、電気代なしの暖房だといえます。

日射を効率的に取得するには、なんといっても開口部の設計に左右されるので、もともと南面に窓が少ないとか小さいとか、目の前に建物があって日射が遮られるといったケースの場合は打つ手がないのですが、それでもできることを探してください。例えば洗濯物や家具などで窓をふさいでいないか、樹木などで日陰にならないかを確認し、冬場になるべく多くの日光が室内に入るよう工夫をするのがよいでしょう。

脱衣所の断熱はどうすればいい?

断熱の基本は、温熱・冷熱の侵入を防ぐことです。脱衣所を使う時間帯(入浴時)に合わせて脱衣所を暖房し、その際は脱衣所の扉をしっかり閉じて暖房の熱を逃さないようにします。

ただ、脱衣所の窓が断熱窓でない場合、脱衣所を暖房しても温かい空気が窓面から逃げてしまいます。ですので、できれば脱衣所だけでも小さな内窓をつける方がいいです。できない場合は、カーテンやブラインドで内側から窓をしっかりおおうのがよいでしょう。

また、脱衣所やトイレなどは扉の下に隙間があるなどして、密閉できないことも多々あります。その際はホームセンターなどにあるモヘアなどを接着剤で貼るなどしてなるべく室内が密閉できる状態にするとよいと思います。

本来は廊下も断熱したいところですが、そうもいかないケースの方が多いと思いますので、ぜひ冬に向けて脱衣所の断熱だけでも考えてみることをおすすめします。

夏と冬のエリア断熱の違い

夏はどちらかといえば、エアコンを効率的にきかせるための断熱という意味で、生活時間が長いリビングや寝室を重点的に断熱するとよいでしょう。一方で冬は、ヒートショックが心配なので、家全体の寒暖差を少なくするための工夫が有効になります。

ヒートショックでの事故は冬場のお風呂場で起こりやすいのが特徴です。暖房の効いたリビングなどの室内から、寒い廊下や脱衣所に移動したときに急激に血管が収縮し、温かい浴槽に浸かる時に血管が拡張して血が一気にめぐることで、急激な血圧の上昇と下降にさらされることで、倒れてしまいます。死亡事故につながることも多いので、特に血圧に心配のある高齢者のいる家では対策は必須です。

冬場はなんといっても脱衣所の断熱が必要不可欠です。

エリア断熱も有効

家の断熱改修となると、工事が大掛かりになり、だから断熱は無理……となりがちです。確かに断熱改修は、壁や床、天井に断熱材を入れるため、住まいながらですとどうしても難しく、大掛かりな工事になってしまいます。住まいながら短期間でできるのは窓断熱(サッシを交換する、内窓をつける)ですが、それなりに費用がかかるので、じっくり検討するのでもよいと思います。

ただ、考え方を柔軟に、一部分だけでも断熱を意識してみるだけで、暮らしはかなり変わります。

夏ならばリビングか寝室を重点的に断熱するとよいでしょう。先月お話ししたすだれやカーテン、ブラインドをつけるだけでもかなり効果があります。夏の場合は日射=熱を遮蔽することが有効なので、日中使わない寝室では換気をしつつもカーテンを閉めて熱を入れないことで、夜寝るときにはだいぶ楽になるはずです。

今年は秋も暑くなる!?

今年の夏は本当に暑かったですね。気象庁の3ヶ月予想では、9月以降も平年よりも気温が高くなるとのこと。9月になっても猛暑への備えを忘れずに、断熱や遮光をすれば暑さを軽減することにつながりますので、ぜひ省エネ対策をしてください。

夏の省エネ対策として、住まいの断熱を考えることは、実は冬場の寒さ対策にもつながります。断熱とは、夏の暑さを軽減し、冬の寒さを和らげることです。エネルギー消費量を減らす=電気代・ガス代の節約だけでなく、健康にも直結する問題です。急激な暑さと寒さに身体がさらされることで、血圧に影響し、特にご高齢の方は命に直結することもあります。

 

「喉元過ぎれば熱さを忘れる」ではなく、猛暑がひと段落した今こそ、断熱の重要性について考えてほしいと思います。

9月の残暑も油断しない!

2018年夏の異常な猛暑。7月23日には埼玉県熊谷市で41.1度と史上最高気温を更新し、この日は東京都青梅市でも40.3度と観測史上初の40度超えをしました。岐阜県や愛知県などでも40度超えを連発しています。

この異常気象は世界各国でも起こっているようです。アメリカではカリフォルニア州で52.0度を記録し、ヨーロッパ各国でもアフリカ大陸からの熱波によって各地で40度超えを記録しています。スウェーデンの氷河が溶けたり、ギリシャで大規模な山火事が発生し大勢が亡くなるといった影響も出ています。

日本の気象予報会社の予想によると、猛暑のピークは7月下旬と8月下旬から9月上旬にかけてくるとされて、猛暑の年ほど残暑も長い傾向にあります。今からでも遅くないので、すだれやサンシェードなど、できる断熱対策は必ずやっておいてください。

窓断熱しない=ストーブを焚いているのと同じ状態

この異常な猛暑のなかで、少しでも断熱対策をすることで、室内での過ごし方がかなり快適になることをお話ししてきました。省エネ=我慢のイメージがつきまといますが、我慢の省エネは健康に悪く、体力を消耗させます。省エネは我慢するためにやるのではなく、エアコンを効率よく使い体力を温存させるためにやるものです。

窓断熱していない室内でエアコンをつけることは、「夏なのにストーブを焚いている部屋で冷房している」という、とても無駄な状態なのです。冷気が当たるところが涼しくなるだけマシですが、焼け石に水状態なので、エアコンの風で変に冷えて体調を崩している人も大勢います。

ぜひ、すだれやサンシェードなどで窓から室内に入る熱を防いでください。それだけで、エアコンが効きやすく快適になります。

すだれが手に入らない場合は……?

夏の断熱対策には、すだれが有効です。すだれはホームセンターやスーパーマーケット、大型のドラッグストアで売っていることもあり、安価で手に入れやすいのが特徴です。ところが今年の猛暑もあって、ホームセンターでは軒並み売り切れ続出……ということもあり、すだれがない場合はどうすればいいのでしょうか。

すだれがない場合は、「布」をすだれと同じように活用しましょう。できれば麻など風を通しやすい素材で、薄手でざっくりしたものがおすすめですが、古くなったカーテンでも十分です。窓の外にフックをかけて、外から日差しを遮るだけで、だいぶ断熱効果が変わってきます。

要は「室内に入る熱射の進入を防ぐ」ことが目的なのですから、すだれが手に入らない時は別のもので代用すればいいのです。