経営者に問われるSDGs

近年、東京都や神奈川県、地方自治体などで、SDGsの目標を自治体の政策に反映させていこうという動きが起こっています。また、CSR(Corporate Social Responsibility)やCSV(Creating Shared Value)の観点からも、企業でもSDGsを経営指針に積極的に取り入れていこうというムーブメントが盛り上がっているようです。

これからの企業経営は、環境にいいことは当たり前、未来を見据えながら持続可能な社会をつくるために、商品やサービスを提供していく姿勢が求められます。それは住宅産業も同じで、最先端の時流に取り残されがちな地域工務店こそ、ニュースや業界団体の勉強会などで、世界のトレンドを知り、経営に生かしていく姿勢が求められます。

SDGsという指標があることで、企業も市民も行政も、共通の目標を持ちながら、未来に向かって「いい選択」をすることができるようになるはずです。

今後、大丸建設では、SDGsを意識した経営戦略を考えていきたいと思います。

SDGsの貧困や飢餓は無関係なのか?

SDGsの17の目標のうち、大丸建設の事業に関わりの深いものとして、

「目標7 エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」

「目標8 働きがいも 経済成長も」

「目標11 住み続けられるまちづくりを」

「目標12 つくる責任 つかう責任」

「目標13 気候変動に具体的な対策を」

この5つを紹介しました。一方で、

「目標1 貧困をなくそう」「目標2 飢餓をゼロに」「目標6 安全な水とトイレを世界中に」など、一見、今の日本とは関係なさそうなこと、特に住宅産業との関連性を見出しにくいものもあります。

ただ、これらの目標が私たちの生活に無関係かというと決してそうでもなく、いつ私たちは災害に遭って安全な水やトイレを手に入れられなくなるかもしれない、日本でも実は貧困や飢餓があるという事実もあり、企業としてそうした事実から目を離していけないものと思います。

SDGsの指標を知ることで、世界や日本で起こる様々な課題を、身近な問題としてとらえる契機になります。

SDGsで大丸建設と関係の深い目標 (3)

「目標13 気候変動に具体的な対策を」

住宅業界と気候変動対策は大きな関わりがあります。特に木造住宅の建築にあたっては、持続可能な森林経営との関わりが必要不可欠であり、温室効果ガス(二酸化炭素)の吸収源でもある森林の機能を高めるためには、適度な間伐、除伐といった森林の手入れが必要となります。また伐期のきた材木を使う流通の仕組みも大切です。

そして、住宅建築後のライフスタイルこそが気候変動対策と直結する問題で、エネルギーを大量消費するライフスタイルから、省エネルギーで暮らせる形にシフトしていかねばなりません。そのため、日本の気候風土にあった季節ごとの庇や軒の活用、風通しのよさ、日射遮蔽と日射活用、断熱といった、冷暖房効率をあげる住まいをつくるのが今の工務店の使命となっています。また、太陽光発電や高効率給湯器といった、エネルギーをつくる、使う、減らすことを最適化できる設備投資も提案していければと思います。

SDGsで大丸建設と関係の深い目標 (2)

「目標11 住み続けられるまちづくりを」

住まいを建てるということは、まちをつくることに直結しています。街並みを形成する住まいは、どんな素材で建てられているのか、敷地と建物の関係、緑化、外観など、周囲の景観と調和していかなければなりません。また、そこに人が住み続ける限り、「まち」の機能は存続します。住まい手一人ひとりがまちの担い手であるということを意識できるよう、住宅建築の段階から、「まちを考える」という視点を持っていきたいと思います。

「目標12 つくる責任 つかう責任」

住まいをつくるときには、その住まいが使われなくなったときのことも考えます。家を住み継げるよう、断熱性や耐震性といった基本性能を高くし、リノベーションするとしても部材を再利用できるよう、良質な材木を使います。その家を壊すことになったとしても、土に還る素材であれば地球環境への負荷は最小限で済みます。

また、材木や建材についても、どのように生産されているのか、生産履歴(トレーサビリティ)を追跡し、産地の環境と持続可能性を守っていく必要があります。

SDGsで大丸建設と関係の深い目標 (1)

SDGsの17の目標のうち、特に大丸建設(住宅建築業)と関係の深いと思われる目標について解説します。

 

「目標7 エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」

住宅建築はエネルギー政策と関係の深い分野です。日本では家庭部門の消費エネルギー量は増加傾向にあり、消費エネルギー量の低いライフスタイルを実現できる住まいづくりをしなければなりません。化石燃料や原子力エネルギーから再生可能エネルギーへのシフトも、消費者が選んでいくことで、実現が可能になっていくはずです。

 

「目標8 働きがいも 経済成長も」

日本でも働き方改革が進んでいますが、長時間労働や休日出勤が続いたり、男女間の格差など、まだ課題が山積しています。大丸建設自体が、社員にとって働きやすく、働きがいを感じてもらいながら、お客様にも満足していただけるような会社でありたいと思います。

SDGsは開発途上国のものか

SDGsは「持続可能な開発目標」なので、一見、開発途上国のための目標という誤解があり、私たちの暮らす日本とは関係のないものなのではないかと勘違いされがちです。しかし、一つひとつを熟読し、私たちの暮らしに置き換えてみると、必ずしも日本や東京での出来事と関係ないわけではなく、日本でも目標達成に向けて自分ごととして考え、動いていかなければならないと思います。

特に、日本が国際支援・人道支援などでできることは多くあり、資金援助、技術の移転、外交など、国際的なリーダーシップが求められています。ひとたび災害が起これば、支援する側ではなく、される側にもなります。SDGsは先進国、開発途上国といった垣根を超えて、世界全体で取り組んでいかなければならない目標です。

SDGsの中身とは

SDGs=国連持続可能な開発目標は、大きな17の目標と169の小さなターゲットから成ります。

 

目標1 貧困をなくそう

目標2 飢餓をゼロに

目標3 すべての人に健康と福祉を

目標4  質の高い教育をみんなに

目標5 ジェンダー平等を実現しよう

目標6 安全な水とトイレを世界中に

目標7 エネルギーをみんなに、そしてクリーンに

目標8 働きがいも 経済成長も

目標9 産業と技術革新の基盤をつくろう

目標10 人や国の不平等をなくそう

目標11 住み続けられるまちづくりを

目標12 つくる責任 つかう責任

目標13 気候変動に具体的な対策を

目標14 海の豊かさを守ろう

目標15 陸の豊かさも守ろう

目標16 平和と公正をすべての人に

目標17 パートナーシップで目標を達成しよう

 

SDGsって知っていますか?

ここ数年、テレビや新聞などで「SDGs」という言葉をよく見るようになりました。SDGsと書いて、「エスディージーズ」と読みます。これはSustainable Development Goalsの略で、持続可能な開発目標の略称となります。

2015年の9月、ニューヨークにある国連本部で、国連持続可能な開発サミットが開かれました。それまではMDGsといって、国連ミレニアム開発目標という形で展開されていましたが、 SDGsは後継目標となるものです。世界の150カ国を超す国の首脳たちの参加のもと採択されました。

各種補助制度の利用に関してご相談ください

東京都では、家庭や事業所向けの補助制度を紹介するフローチャートがあります。

住宅、家庭分野では、「エコな住まい」という分野があり、LED電球に替える、高断熱窓にする、エネルギーをつくる・ためる家、家庭の省エネといった分野での補助制度をフローチャートで確認できます。

http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/data/publications/eco_support/flowchart.html

LED電球の交換のように、家庭向けのものもあれば、工務店などの事業者が間に入る方がスムーズにいくものもあるので、こういった補助制度を利用したいという要望があれば、ぜひご相談ください。