新国立競技場は日本の材木を世界にPRする絶好の機会だと思いますが、それがただちに国産材の輸出につながるかというと、私にはそうは思えません。
国産材、特に杉材は成長が早く、50年ほどで建築用材として使えるほどすぐれた材ですし、素直で加工しやすいのが利点です。やわらかくてぬくもりがあり、調湿性にすぐれているため、四季のある日本にはぴったりの素材です。
しかし、それをそのまま海外に輸出して住宅材として使えるかというと、海外は気候風土も異なるため、難しいのではないかと思います。乾燥している地方では割れや反りも出てくるでしょうし、高温多湿な国ではカビや木材腐朽が心配です。
木は適材適所、地産地消がいちばんです。その国の気候風土のなかで育った木が、その土地の住まいにはぴったりだと思います。
むしろ、木材の加工技術で日本は勝負すべきではないかと考えます。