なぜ、昔の家では釘を使わなかったのか。

伝統構法は、様々な仕口を形作り、継手で柱や梁を大きく使って、釘を使わずに木を組み立てていました。
日本では、古くは飛鳥時代から釘が使われていた歴史があります。昔の楔(くさび)は鉄でできていました。日本刀は鍛鉄や鍛冶屋の文化で生まれています。なので、釘を使おうと思えば、伝統構法でも使えたはずなのです。では、なぜ釘を使わなかったのでしょうか。
釘は金属だから、錆びやすい。日本は湿度が高いので、木に金属を組み合わせることで、耐久性がかえって落ちてしまうことが考えられます。
木は、湿度が高い時は湿気を吸収し、乾燥している時には水分を放出して、いわゆる「伸縮」をします。木の特性を活かせば、木造建築に鉄を混ぜ合わせる必要はなく、伝統構法で十分に長持ちする家を建てられたのだと思います。

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