リフォームには坪単価という概念はない

新築住宅を建てる際に、総額がどのくらいになるかの目安として「坪単価」があります。これは、例えば30坪の家を建てる時に2400万円かかったとしたら、坪単価は80万円。ところが1500万円で住んだら50万円となります。坪単価が安い方がいいと思われがちですが、住宅の価格は人工と材料と設備の総額で決まりますから、材料や設備が安いのか、手間が少ないのか、で価格が変わってくるわけです。ちなみに、大丸建設の坪単価はおしなべて80万円くらいです。
 リフォームには「坪単価」という概念がありません。どの工事をすればいくら、という費用感がだいたい決まっているからです。
 ただ、ここで気をつけたいのは、水回りだけでいくら、キッチンだけでいくら……と、チラシだけ見て安いところに飛びつくと、配管のつながりを無視した工事になりがちで、後悔するケースも少なくありません。
 工務店の場合、住まいの全体を見ながら最適なリフォームを提案できます。結果的に、トータルで見れば工務店に頼む方が無駄なくスムーズ、お客様の時間を有効に活用できるという意味で、費用的にも満足感が高いのではないでしょうか。

リフォームで元が取れるのか?

リフォームの場合、投資をした分の元を取れるのかどうか、判断しやすいので、新築よりも明朗会計と言えます。
 キッチンやお風呂などの水回りでは、実際に不便があるから設備を更新するわけですし、壊れたから買い替える、なければ生活の質に関わるから……と、暮らしに必要な経費としてお客様もご理解しやすいものです。
 これは、家電の買い替えなどにも言えることで、冷蔵庫が壊れたから買い替える、エアコンの効きが悪くなったから新しくするなど、お客様がお金を出す目的がはっきりしているのが特徴です。
 私たち大丸建設では、できれば、少しでも環境に配慮した高効率な設備を導入して、CO2排出量が少ない選択をしていただけたらと思っています。そうすることで、実は地球環境にやさしいだけでなく、暮らしにかかる光熱費もぐんと減らすことができ、普及型を購入するよりもはるかに早いスパンで元をとることができるからです。

リフォームで元が取れるのか?

では、リフォームのコストはどうなっているのか、具体例をお伝えしましょう。
 例えば床を張り替えるならば、壁や廊下などを養生し、仮設を組み、既存の床を解体し、運び出して、処分する工程があります。新しい床の材料費と、それを張る大工さんの人工(にんく)が費用になります。
 壁を塗る場合は、やはり養生と、下地処理、仕上げ塗り、チェックで、材料費と左官屋さんの人工が費用になります。
 私たち工務店の人工はかかりませんが、お客様との打ち合わせ窓口になり、職人を手配し、何かあった際の責任費用も工務店が持つことになります。そのため、コーディネート費用として、ご請求額の2割ほどを工務店の方でいただくことになります。

新築とリフォームの利益率の違い

新築住宅の利益率は、理想的には1棟あたり25%を目指したいところですが、現実的には粗利が2割を切ることがほとんどです。仮に3000万円の住宅を建てる時の粗利は600万円ですが、そこに営業や設計などの人件費がかかりますから、半年以上の仕事で粗利が月間100万円を切ることがほとんどです。
 一方、リフォームの方が、新築より利益率がよいことが多いです。何をすれば、どれくらいの費用がかかるのか、基本的にはパーツの組み合わせ、つまり足し算なのと、工事期間が短いため、利益率がいいのです。
 新築は、総額の予算があって、できることを決めていくのですが、お客様の理想の住まいのためにどうしても頑張ってしまう。つまり工務店が身を削る形でお仕事を受けてしまうことが多いので、粗利がどんどん削られてしまうのです。

現場を見てケースごとに対応を急ぐ

お客様からリフォームのご相談をいただく時に、切羽詰まっているケースの時には、なるべく緊急で対応するようにしています。例えば、家の鍵が開かない! といった時には、家に入れませんので、すぐに知り合いの鍵屋さんに連絡して錠ごと差し替えたり、水漏れに関しても、つまりがあれば漏れて階下に影響しますので、速やかに業者さんを手配します。
 ライフスタイル向上など、可及的速やかな対応が必要でない際には、新築現場の状況に応じて、お客様をお待たせしてしまうこともありますが、リフォームはお客様のニーズがはっきりしていることが多いので、なるべく早めに工事に着手したいと考えています。
 リフォームの場合、建築現場のことをしっかり把握できる現場監督がお客様のヒアリングをするのが適しています。なるべく、その場でリフォームしたい箇所を見させていただき、ご提案できるようにしています。