基礎をつくっている際に準備しておくこと。

基礎工事をしているのと同時並行で、上棟式に向けた構造の打ち合わせと材料発注が進みます。
上棟式までに、柱、梁、土台などの「骨組み」がすべで揃っていなければなりません。大丸建設では、紀州・和歌山の山長商店から、無垢の杉材・檜材を取り寄せています。建築図面にのっとって、プレカット(事前に材木を切ってもらうこと)材を用意してもらい、それを大丸建設のストックヤードに置いておきます。
大工さんは、基礎工事が終わったら、基礎の上に土台を引きます。ここから大工さんの仕事がスタートします。上棟式までにプレカット材を間に合わせて、請求書をもらいます。プレカット材の費用も、設計契約時の1割の中から支払います。

基礎工事の工費の内訳

基礎屋が入ったら、遣り方といって、土地の中でどこに建物が建つのか、建物の位置を出し、配置を決めて、根切り(土を掘ること)を始めます。
昔は、鳶職が基礎や足場組みをおこなっていましたが、今は、鳶職は基礎専門になっている人が多いです。足場は足場屋さんが組むことが多いです。
基礎の仕事は、根切り、採石、捨てコン、墨出し、鉄筋を組む、型枠をつくる、地面と接地するベタのコンクリートを打ち、その後、立ち上がり部分の枠を組み、立ち上がりのコンクリートを打つまでの一連の作業になります。
基礎屋さんに対しては、材料費(コンクリートや鉄筋など)と工賃(基礎屋さんの人件費。日当で請求される)を合わせた形で請求をもらい、工事請負契約の時にお支払いいただいた1割の中から支払っていきます。

工事請負契約には総工費の1割をお支払いいただきます。

実際に住宅の新築工事を行うことが決まったら、「工事請負契約」を結びます。住宅の総工費を4000万円とすると、工事請負契約では1割の400万円をお支払いいただきます。実際に工事が始まると、後戻りができないので、私たちも気持ちが引き締まります。
工事請負契約時の1割のお金は、主に、次の支払いに用いられます。
まずは、仮設現場を組む前に、地鎮祭をおこないます。工事の無事と安全を祈り、神主さんをお呼びします(神主さんへの謝礼発生)。
次に、工事現場用の電気と水道、トイレの仮設現場を組む費用に充てます(水道業者、電気屋さん、仮設トイレ業者さん)。
続いて、基礎工事が入ります。基礎工事については次にお話しします。

設計契約時のお支払いに含まれるもの

大丸建設では、設計契約時に50万円+消費税をいただきます。この50万円の中には、設計図面を描く費用と、確認申請の費用が含まれています。
まず、お客様との打ち合わせを重ね、お客様が求める住まいを当社スタッフが設計図面に起こします。
実際にお客様に納得していただける設計図面が出来上がったら、今度は実際に住まいを建てるための確認申請を建築住所のある自治体に対して行います。建主さんのお名前、住所、建物の規模、構造の種類(木造かRCかなど)、防火地域の情報、平面図、立面図、断面図(矩計図)、換気計画など、建築基準法と都市計画に即した、必要な情報をすべて網羅しなければなりません。
確認申請は本来、建て主さんがおこなうものですが、用意しなければならない資料が膨大で、専門性が求められるため、実質的にはほぼ工務店やハウスメーカーがおこなうことになります。確認申請には建物の床面積に応じて、17,000円〜33,000円の費用がかかり、それは設計契約時の50万円の範囲内で支払います。

大丸建設での請求パターン

大丸建設では、最初に設計契約をおこないます。住宅の設計図面を出す際には、それなりの仕事量があるからです。だいたい50万円くらいです。その後、工事請負契約の際には総工費の10%の契約金をいただきます。建築の確認申請などの費用もそこに入ります。その後、残りの90%を3回に分け、30%ずつを上棟時、中間時、完了・引き渡し時にお支払いいただきます。
 具体的に言うと、建物の総工費が4000万円だとしたら、次のようなタイミングでのお支払いが発生します。
・設計契約時 50万円
・ 工事請負契約時 400万円(10%)
・ 上棟時 1200万円(30%)
・ 中間時 1200万円(30%)
・ 完了・引渡時 1200万円(30%)
 銀行の融資が完了時にしかおりない場合だと、大丸建設での資材費や職人さんの工賃を立て替えているため、それが負債となり、契約そのものが厳しくなってしまいます。全回、「つなぎ融資がないと難しい」と書いたのは、その前ためです。

自己資金+融資額=土地+建物

土地が決まり、建物の値段はいくらまでなら出せるのか。それは、あくまでも自己資金と融資額の合計によって決まります。大丸建設の場合は、30坪の小さな家を建てる場合でも、できれば3000万円くらいの予算が必要で、どんなに削っても2500万円は必要です。そうなると、便利な駅の駅近で土地を取得するとなると難しく、少し郊外でも土地の値段を安く押さえなければなりません。
 逆に、自己資金にある程度余裕がある場合は、銀行の融資もおりやすくなります。というのも、ローンの総額が小さければ返済の目処も立つからで、時間を短縮する繰り上げ返済も可能になります。
 融資は、土地+建物の総額におります。融資が決定した段階で、先に土地代を支払い、次に建物にかかるお金を支払います。大丸建設の場合は、段階的に請求するのですが、つなぎ融資がない銀行からのローンを組んでいるお客様だと、厳しいケースもあります。

ローンがおりないケースもある。

住まいを建てる際に、不動産を取得するのが先になりますが、実は工務店との打ち合わせとの同時並行でもあります。土地をおさえて工務店巡りをして見積もりを立てたものの、銀行からの融資がおりないケースもあります。なるべく早い段階で、不動産屋さん、工務店、FP(ファイナンシャルプランナー=資金計画の専門家)との打ち合わせをしっかりおこない、計画を立てていくのが大切です。
 ローンを組む際に指標になるのが、一家の大黒柱(たいていの場合はご主人)の勤務先がどこであるか。上場企業や公務員などは会社が倒産することは考えにくいのと、収入を読みやすいので、「きちんと返済してくれるだろう」と銀行も考えます。奥さんが働いている、パートに出ている場合も、ある程度金額を加算することができます。
 一方、融資がおりにくいのはフリーランスや個人事業主、小さな会社の役員です。私は最も融資がおりにくい部類に入ると思います。

土地を買う時点で建物の見積もりを取る

6月に引き続き、7月も「建築とお金の話」です。
 誰にとっても家を建てる際は、土地+建物の両面でお金を工面しなければなりません。お金を借りる際は、土地と建物それぞれに対して借りるのではなく、土地を取得した金額と、住宅にかかる金額の見積額を合わせて、総額でローンを組むことになります。
 そのため、土地を探して決定する段階で、工務店やハウスメーカーに建物の見積もりを頼みます。簡単な設計図面が必要になり、短期間で集中して打ち合わせから測量、プランの作成をおこなわなければなりません。
 「家を建てたい」と思ったら、なるべく早めに工務店に相談し、土地探しの段階から一緒に見て回れる関係性ができていると、ローンを組む際も比較的スムーズにいくと思います。