「しんきゅうさん」で比較検討を

照明の省エネ対策については、今は「電球を使わない」と言うほかはありません。白熱電球の製造に関しては、大手メーカーは2012年度には撤退したので、今後は愛好家が趣味的に楽しむたぐいのものになるでしょう。LEDはだいぶ普及が進み値段も下がってきています。光量にはまだ課題がありますが、今後の主役には間違いがありません。
換気の省エネは24時間換気が義務づけられている以上、止めてはいけないので対策のしようがありませんが、風の出口として適切な位置にあるかなど、再度見直してみることもいいですね。
「省エネ製品買換ナビゲーション しんきゅうさん」というウェブサイトがあります。家にある家電の型番と購入年を入れて、新しいものに買い替えるとどれくらい消費エネルギー量が変わるかが一目でわかるので、買い替えを検討している方はぜひ利用してみてください。
http://shinkyusan.com/index.html

機器の更新も対策の一つ

給湯、照明、調理のエネルギー対策は、設備機器を新しいものに更新するしかありません。給湯器、冷蔵庫などの大型家電・設備は寿命が約10年と言われ、更新する時に最新のエコ対応型にすれば、年間の光熱費が当該部分で3〜4割も安くなるケースがあるのです。最新のものでも普及型と省エネ型で大きな差があります。電気代が安くなるということは、CO2排出量も少なくて済むので、家計にも地球にもやさしい計算になります。
太陽熱温水器は20年ほど前に一世を風靡しましたが、最新型のものは性能も上がり重量は軽くなっているので、リバイバル・ブームが到来しています。給湯を入れ替える時には、エネルギーのトータルコストも考えて、十分に検討に値すると思います。

冷房は暖房の反対で、いかに熱を入れないか。

冷房の消費エネルギー量を減らすには、暖房とは逆で、いかに外気の熱を入れないかが対策の中心になります。日射遮蔽性能が高ければ高いほど、室温は低く保たれるので、カーテンをかける、ブラインドをおろす、グリーンカーテンなども効果的です。
暖房と同じ対策もあります。そこは冷房を強化するエリアを決めてそこを集中的に対策したり、冷房時間を減らすなどです。
もう一つ、窓を開けて風を通すことも重要です。風の出口がない部屋の場合は、換気扇を有効に使うのも手でしょう。

屋根断熱は有効

断熱改修は設備機器を変えるよりも、窓などの外皮を改修する方が全体的な効果や住まいの快適性は上がります。しかし、コストも工期もかかるため、必ずしもすべての方にお勧めできるとも限りません。特に高齢者がいる場合は、我慢の省エネは命に関わることもあるため、無理をしないことが大切です。
 屋根の断熱は手を付けると大変ではありますが、実は暖房だけでなく冷房にも効くので、全体的な効果は高いと言えます。屋根は無理でも天井面に断熱材をプラスするのは、意外とコストがかからずに効果は高いので、おすすめです。
 また、壁と床の境目の「気流止め」の箇所には熱が集まるので、隅角部の断熱が十分でないと、せっかく温めた部屋の熱が逃げてしまいます。断熱改修の際は気流止めの対策は必須です。