“きたない川”は、今は昔の話……。

 私が幼い頃遊んでいた多摩川の思い出は、「きたない川」というイメージでした。当時は環境汚染の影響で、多摩川の水は濁っており、とてもではないけれども「清流で遊ぶ」というイメージとはほど遠いものでした。いまの多摩川は、少なくとも調布・稲城エリアではだいぶキレイになっていると思います。透明度があり、秋川などの上流部では泳げる川になっています。
 私は大学時代に下水の水質浄化を研究していて、日本一汚い湖沼と呼ばれた千葉県の手賀沼について調査していました。下水をきれいにするには、活性汚泥や微生物分解などの手法を用います。いまでも下水処理場ではこのような手法で、ずいぶん川に流れる下水もきれいになってきました。
 川が汚かった理由に、工業用水や家庭排水が河川に流れ込むことで、プランクトンなどが大量発生して水が富栄養化して濁る、といった現象が考えられます。工業用水の廃水基準は厳しくなり、公共下水道などでの水質浄化の成果も上がっています。今後は家庭の排水に気を配るライフスタイルも求められていると思います。

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