「偏心」を起こさないようにするのがポイント

 前回、耐震補強のためにはただ壁量を増やすだけでなく、バランスをととのえることが重要とお伝えしました。昔の耐震構造が十分でない家に多いパターンは、南面が開口部で壁量が極端に少なく、北側に壁が多いためバランスがとれていない家。この場合、北面に地震の力が集中し北面を中心に揺れるため、南面が倒れ傾くことになります。揺れ方の偏りをなくせば、家が揺れても建物は倒壊しません。
 建物の中心のことを「重心(じゅうしん)」と呼びます。また、建物の固さの中心を「剛心(ごうしん)」と呼び、「重心=剛心」が一緒になるのが理想的な建物です。重心と剛心のズレを「偏心(へんしん)」と呼び、偏心が大きいほど揺れ方が偏り倒壊の可能性につながります。偏心をなくすためにバランスを整えること、偏心そのものを少なくするのが、耐震設計の大切なポイントです。

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