お客様も参加できる壁塗り

 室内で最も面積が広い、壁。大丸建設では、内壁は、無垢材と左官材の組み合わせを重視しています。
 無垢材を全面に張った内装も可能です。ただ木目が気になる方や、木の重みをどうしても感じやすいので、例えば腰壁は無垢材にして、そこから上は左官材を使うのもよいですね。
 大丸で使っている左官材は、生石灰クリーム、漆喰、中霧島壁、珪藻土が主です。 
 生石灰クリームは水を混ぜるだけでカンタンに塗ることができます。お客様の施工も可能です。漆喰はより本格的な端正さを求める方に。中霧島壁は外壁のそとん壁と同じく火山灰シラスから出来ており、土っぽさを感じる仕上げです。珪藻土は藻類の一種の化石が原料で、調湿性にすぐれ、施工のしやすさから人気の内壁材です。
 ほかにも、和紙を壁に貼るなどもできますし、お客様のお好みとご要望に合わせて、さまざまなアイデアを実現できる、住まいづくりの楽しみどころでもあります。

壁の内側と断熱材

 大丸建設のホームページ内では、木構造や壁の内部構造などをわかりやすくイラスト図解しています。
http://www.kk-daimaru.co.jp/tech.html
 壁は、柱と柱の間に間柱を立て、外側に透湿防水シートを張ります。シートの内側には断熱材を入れます。大丸建設が標準で使っているのは、サーモウールという羊毛断熱材です。空気をたっぷり含み、天然の吸放湿性があり、断熱性もとても高く、施工もしやすいです。化学物質の吸着性能も高く、空気清浄効果があります。
 また、お客様からご要望があった場合は、セルローズファイバーといって古新聞や古紙を綿状にして、重力による沈下を防ぐために麻を添加したリサイクル断熱材を使うこともあります。セルローズファイバーは断熱性の高さに加えて、防音効果が高いのが特徴です。
 間柱の間に断熱材を充填したら、室内側にプラスターボードを張ります。これは石膏を固めたボードで防火性能が高く、内壁材の下地としても使います。

窓枠はいろいろな種類が選べます

 屋根を張り終わったら、雨風に当たりにくくなるので、内装工事がどんどん進んでいきます。
 窓枠(サッシ)については、大丸建設ではアルミサッシのペアガラスを標準採用しています。家の熱損失の係数は、実は窓ガラスが最も高いと言われています。ペアガラスにすることで、内部に空気層をつくり、熱が逃げにくく、逆に暑さも軽減することができます。
 サッシについては、いまは選択肢が広がってきています。木製サッシとは、窓枠が木製でできているもので、国産のサッシもあります。価格は高めですが断熱性が高く、美観にも優れています。樹脂のサッシもあり、こちらは断熱性や機密性能がとても高いと言われています。ただやはり価格がまだ高いのが難点です。
 ガラスの種類もいろいろあり、ガラスの間に特殊金属膜を配し、断熱・遮熱性能を高めたLow-Eペアガラスや、ペアガラスの間に特別な空気層を用いたもの、防犯性能を高めたものなど、バリエーションが選べます。
 ただ、いずれにしても機能を足すほどにお値段が上がりますので、基本性能としてのペアガラス+アルミサッシと、その他の部分の断熱性や耐震性など、トータルで家の性能を考えるのが大切です。

屋根に使う瓦・ガルバリウム鋼板

 基礎コンクリートを打ち、土台を敷いたら、1日で建物の柱、梁、屋根の垂木までを組み上げる上棟式をおこないます。家づくりの一番の見せ場と言ってもよいでしょう。
 上棟式が終わったら、いよいよ本格的な内装工事に入ります。最初に手がけるのは屋根工事です。
 屋根の垂木は無垢材で、野地板も杉の無垢材を使っています。野地板の上には雨がかりなどを防ぐための透湿防水シートを貼ります。ポリエチレンの不織布で、湿度は透すが水は漏らさないという機能性が高いものです。
 屋根断熱と防音性を高めるために、屋根材と野地板の間にフォレストボードという断熱材を敷いています。これは秋田の杉材の間伐材や集成材から出る端材をチップ状にして固めたもので、ボード状になっていることから加工しやすく、大丸では屋根断熱に使っています。
 その上に、屋根材を張ります。いま大丸の家では、ガルバリウム鋼板が主流です。アルミニウムと亜鉛と少量のシリコンでできており、軽量で耐久性が高いことから、屋根材としてよく使われています。特に最近は地震対策という観点から、屋根材を軽い材料にする傾向があります。
 一方で、昔ながらの屋根瓦へのニーズもあります。屋根瓦は土に釉薬をかけ焼き締めたもので、日本各地に瓦の文化が残っています。

基礎に使うセメントと鉄筋

 家づくりの最初におこなうのは、基礎を打つことです。基礎に使うのはコンクリートで、セメントと砂、砂利、水を混ぜ合わせた生コンクリートを型枠の中に流し込みます。JIS認定工場に配合の指示を出し、現場の土地の形状や、住まいの設計に合った配合を指示して発注します。
 外壁等に使うモルタル材も、コンクリートと作り方は似ています。モルタルの場合はセメントと砂を混ぜ合わせるのですが、コンクリートと比べて強度はありません。砂利の配合が強度の要になります。
 コンクリートを流し込む前に、鉄筋を打ちます。建物の重量や地盤の状態に合わせ、どのように鉄筋を打つか、「配筋」を考え、細かく指定します。住宅用の鉄筋は、建物にもよりますが、直径は概ね10-16mmくらいです。
 基礎のコンクリートが固まったら、基礎と土台、基礎と柱を緊結するアンカーボルトという金具を使います。地震対策として、柱が引き抜かれないよう、柱を固定する役割を果たします。

大丸の家に使われている建材

大丸建設は、自然素材の家づくりをモットーに掲げています。自然素材とは、無垢の木や、土、紙など、有機質でできていて、最終的には土に還る素材のこと。建材を使う場合も、自然由来のものか、有害化学物質を使わないものを選んでいます。
 建材とは「建築材料」の略で、無垢の木の柱や梁などの構造材から、基礎のコンクリート、接合金具、断熱材、屋根材、壁材、内装の下地材、窓枠のサッシまで幅広い概念です。
 これらをすべて自然由来のものだけでつくるのは、現代の生活や効率、コスト、工期の面からも難しいですが、いまはとても良心的な建材メーカーさんが、環境負荷の極力少ない建材をつくっています。新建材に含まれる有害化学物質によってアレルギー症状などを引き起こしてきた反省から、建築に携わる人間が良心を持ってよい建材を選んでいこうと、これまで『チルチンびと』のネットワークで得た知識と情報で、自然素材の建材を使ってきています。