大丸のリフォームの基準

私たちがリフォームを提案する時に、いちばん大切にしているのが、何と言っても「安心」です。耐震性の安心、そして素材の安心、業者の安心。お客様と信頼関係を築き、お客様の生命と財産を守る強度を確保し、お客様の健康を害することのない自然素材を極力使用する、ということを守っています。
 新築のお客様よりも、リフォームのお客様の方が、家づくりに対する目的がはっきりしていることが多いです。新築の場合、漠然とした理想やイメージがあり、それを一つひとつ解きほぐして形を提案していきます。じっくりお話を聞いて、時間をかけて問題点を抽出し、イメージがわかってくると、具体的な提案に入れます。
 リフォームの場合は、住んでいる土台があるので、「この家の何かが使いづらい」「汚れてしまってきれいにしたい」など、目的がはっきりしています。家づくりのプロの視点から、目的に対して的確にアドバスし、予算と合致させていくので、高い技術力と判断力が求められます。

ストック時代の始まり

これまで「スクラップ&ビルド」が主流で、世界で最も寿命が短いと言われていた日本の家。でも大量の建築廃棄物や環境問題などから、「よいものをつくって長く使う」という発想が求められています。国もそのように方針を掲げつくられた法律が「長期優良住宅法」です。
 国レベルでも、市町村単位でも、リフォームに対する助成が増えています。構造がしっかりしていれば、家は長く住み継ぐことができる社会資産とも言えます。新築住宅の需要が伸び悩んでいるいま、中古住宅を取得して、内装や間取りをフルリフォームして暮らす若い世代のライフスタイルが注目されるようになっています。まさに「ストック時代」の始まりと言えるでしょう。
 大丸建設のリフォームのお客様の場合、中古住宅を購入してフルリフォームするというお客様よりも、ご両親から引き継いだ家をどのように自分たちらしくしようか、というお問い合わせの方が圧倒的に多いです。私たちは、お客様に「いいものを長く使いましょう」と逆に提案させていただくこともあるくらいです。壊す必要のない家をわざわざ壊す必要はないですし、いいものなら長く使えるほうがいい。お客様のご要望を聞いていると、最初は解体後新築を望まれていても、実は長年の愛着ある住まいを残したいという想いをもたれている方も多いのです。

理想の比率は新築とリフォームが半々くらい

いまお住まいの家を解体して新築を建てるか、でもいま住んでいる家は愛着も思い出もあるから壊すにはしのびない……建て替えを考えていらっしゃるお客様のご相談を受ける時に、多くの方がこのような悩みを抱えておいでです。大手のハウスメーカーであれば、おそらく、建て替えを提案するのでしょうが、私たちはお客様の想いをじっくりていねいにお聞きして、結果的に建て替えではなく、大規模リフォームで対応できるよう、これまでの経験と技術を総動員して、お客様のニーズにお応えしていきます。長年住んで愛着を持っている家であれば、何とかそのまま使っていただきたい、と思うからです。
 しかし、耐震診断はきっちりとおこないます。耐震強度が足りず、基礎などがもろく劣化している場合などは、建て直しをお勧めすることもあります。住まいはお客様の命と財産を守るという役割もありますから、そこは私たちも何よりも大切にしていきたいところです。
 住まいをイチから、自分の夢や理想を形にしていく。新築のお仕事はとても楽しく、私たちも大工も、腕がなります。でも、それと同じくらい、もしかしたらそれ以上に、リフォームの仕事もやりがいがあります。古い建物を愛着と思い出ごと生かしながら、新しくつくり替えていく。バランス感覚と高い技術力が求められる仕事です。
 理想的には、新築とリフォームの割合が半々くらい。お客様にとことん寄り添う大丸建設でありたいと思っています。

食べ物も、住まいも、同じだと思った。

先日、パティスリー・ペインズウィックにおうかがいして、オーナーパティシエの田中憲司さんといろいろお話をしました。一つひとつていねいにつくられたお菓子は、田中さんの長年の経験と創造性によってできていて、よい素材を吟味し、その特性を生かしきるプロの厳しいまなざしに、私たちが目指す家づくりと共通するものを感じました。
 稲城の素朴な町並みに溶け込むような、斬新だけれども有機的な佇まいは、訪れる人をほっとさせます。地元の人が、歩いて、または自転車で、家族の笑顔と心の憩いを求めて買いにくる、街の洋菓子店。とびっきりいい素材を使っているのに、お値段が手頃なのは、家族で経営している小さな規模の洋菓子店だから。いただいたプリンはとても美味しくて、心がとても温かくなりました。大手の製菓会社が工場でつくったプリンとはまったく異なるもので、プロの細やかな心配りと技術力が感じられる素晴らしい味でした。
 田中さんがおっしゃっていたことで特に共感したのは、「自分が見切れなくなる量はつくらない」ということ。個人のお店でつくれるお菓子の量は限界があり、それを超えてつくろうとすると、材料やつくり方を合理化しなければなりません。それをしたくないから、規模を大きくしない。自分が責任を持ってつくれる範囲で、よいものを、ていねいに大切につくる。まさに私たち大丸建設の姿勢と同じだな、と感じました。

稲城にできた英国風洋菓子店「パティスリー・ペインズウィック」

1月27日、稲城市内の住宅街に大丸建設が手がけた洋菓子店「パティスリー・ペインズウィック」が誕生しました。「コッツウォルズの宝石」と讃えられる英国の田舎町の教会を思わせる美しい建物は、連合設計社さんのデザインによるもので、お客様のイメージと要望を自然素材で形にしました。
 南面に大きく流れた勾配屋根と、そとん壁のスチロール仕上げの外壁、ウッドデッキでつないだ店舗とお客様用トイレ、随所に施されたアイアン、英国風の雰囲気を醸し出すランプなど、随所にこだわりを感じさせる佇まいです。
 ショーケースに並んだ美しい生菓子たちは、早い日だとお昼にはなくなってしまうほどの人気です。日持ちする焼き菓子は充実の量ですが、生菓子は「添加物を使わず、良質で新鮮な材料で、一人でつくり切れる量しかつくらない」と、オーナーパティシエの田中憲司さん。北海道さんの小麦粉とフレッシュクリーム、岩手は奥久慈の新鮮卵、デンマークのブッコムのチーズやバローナのチョコなど、世界中から選りすぐりの素材を取り寄せています。私もプリンをいただきましたが、卵黄のみを贅沢に使い牛乳ではなく生クリームでつくったプリンは、とても濃厚で口の中でとろっととろけて、こんなに美味しいプリンは初めて、というくらい感動しました。
 オーナーさんは一流のパティスリーやホテルでお菓子をつくっていたベテランで、満を持しての独立開業とのことです。オープンしてから何度かうかがいましたが、いつも長蛇の列で、その注目度の高さに驚きました。
 「パティスリー・ペインズウィック」。稲城市東長沼1610。ぜひ一度足を運んでみてください。